【おうちでツクリエイティブ!】そざいとなかよし「布」

【おうちでツクリエイティブ!】そざいとなかよし「布」

子どもたちの「クリエイティブ」(創造性)を刺激する作品を作る「おうちでツクリエイティブ!」。「そざいとなかよし」をテーマに毎回異なる素材をピックアップし、子どものための造形教室「ずこうしゃこどもアートスタジオ」のひろか先生と一緒にいろいろなものを作ります♪  今月の素材は「布」。どんな作品ができるかな? ぜひ、お子さんと一緒に作ってみてくださいね。

今月の素材「布」

布は、紙と違って濡らしたり、包んだり、伸ばしたりと、柔らかいのにとっても強い素材。その特性を活かして、いろいろな作品が作れます。今回は「布」の3つの使い方(工作)を紹介♪ 素材の特長を生かし、素材と仲良くなって、いろいろなものを作ってみましょう。さあ、ツクリエイティブスタートです!

【工作を始める前の注意事項】
・はさみやカッターを使う際は、必ず大人が付き添ってください。
・ろうを扱う際は、やけどしないようご注意ください。

ツクリエイティブ①〜ろうを塗ってみる〜

溶かしたろうで布に模様を描き、染色する「ろうけつ染め」という伝統的な染色の技法があります。今回は自宅でできるお手軽な方法をご紹介! まず、市販のろうそくを紙コップに折って入れます。ボウルに沸騰したお湯を入れ、紙コップを入れて湯せんをすると、ろうがだんだん溶けてきます。

染めたい布に溶けたろうを筆を使って好きな模様に塗っていきましょう。熱いので気をつけてくださいね。筆は使えなくなるかもしれないので古いものを使ってもOK。
※室温が低かったり、ボウルのお湯が冷めるとろうが固まる場合があります。その際は再度ボウルに沸騰したお湯を入れて、ろうを溶かしてください。

ろうが固まったら、ろう以外のところを埋めていくように絵の具を塗っていきます。今回は水で溶いたアクリル絵の具を使って色をつけてみました。

塗り終わりました! いろいろな色を使って波模様を描いてみましたよ。完全に乾くまで時間を置きましょう。

絵の具が乾いたら鍋にお湯を沸かし、沸騰したら火を止めて布を鍋に入れてろうを落とします。

パネルに貼ったら素敵な絵画に! お部屋に飾れるアート作品の完成です♪

ツクリエイティブ② 布で包んでみる

布でいろいろなものを包むと、形の面白さを発見できます。木の板にキャップや使い終わったテープの芯など、いろいろな廃材をのせてボンドでくっつけていきましょう!

廃材がくっついたら布で包み込み、ピンと伸ばしてタッカー(※)で止めます。どうですか? 何が入っているのかわからないけど、形が面白い! 布のシワもいい味を出しています♪
※タッカーとはコの字型の針(ステープル)を打ち込む工具で、木工用として使えるホッチキスのようなものです。タッカーや板がない場合はダンボールを土台にして、布テープなどで貼り付ける方法もお試しください(布の種類によっては貼り付けにくい場合があります)

仕上げに、布に絵の具で色をつけたり、クレヨンをこすったりすると、中の形が少し見えて面白いです!

凸凹の面白い作品ができました!いろいろな形の廃材を集めてぜひ作ってみてくださいね♪

ツクリエイティブ③ 靴下や手袋を使う

靴下や手袋など、袋状のものにいろいろなものを詰め込んで立体作品にしても面白いです!

わたなどの柔らかいものを入れるとふわふわに、紙などの少しだけ硬いものを入れるとゴツゴツになります。本来入るべきものではないものが入った状態の靴下や手袋は、それだけでオブジェみたい。何に見えるかな?

フェルト生地など、ボンドでくっつけられる素材で飾りをつけてみました!青い手袋はモンスターみたいな仕上がりに♪ 今回は手袋と靴下を使いましたが、他にも着られなくなった衣類を使ったり、わたの詰め方を変えたりすることで、いろいろな作品が作れますよ。

今回のツクリエイティブはいかがでしたか? 作ってみた感想も大歓迎! 布を使ってこんなの作ってみたよ、こんな使い方をしてみたよ!など、ぜひ記事の最後にあるコメント欄で教えてくださいね。

記憶を呼び起こす感触

教室の時間に布を手にした子が、「ふわふわして枕みたい」と言いました。少し離れたところからは、別の子が「ケーキみたい」と話しています。

手に触れた瞬間、形や用途よりも先に感触が記憶を呼び起こす。その自然な流れがとても面白いなと感じました。

感触って、目で見るよりも深く、身体の奥で覚えているものなのかもしれません。温かかった毛布、気に入っていた服、寝る時にずっと一緒だったぬいぐるみの柔らかな毛並み。その一つひとつの思い出が、触れた瞬間にふっと立ち上がります。

作品づくりとは、「形を作ること」だけではなく、「感じたことが形になること」。

完成した作品に名前や説明がなくてもいい。

その子の中に眠っていた記憶と感触が、布を通してそっと姿を現したのだとしたら——それだけで十分素敵なのです。

教えてくれたのは

profile

さどしま ひろかさん

さどしま ひろかさん

1984年福岡県田川郡生まれ。2007年福岡教育大学を卒業後、田川を拠点にアーティストとして作品を発表。布や糸、ものを使った造形作品や絵などで表現する。
作家活動の傍ら、6年間の美術館勤務を経て、2019年に造形教室「ずこうしゃこどもアートスタジオ」をオープン。
2021年より筑豊地域の文化拠点を作るべく、田川市いいかねPalette内に共同アトリエ&ギャラリー「アーツトンネル」をオープンし、代表を務める。

●「ずこうしゃこどもアートスタジオ」ホームページ
https://zukousha-art-studio.amebaownd.com/

●Instagram
https://www.instagram.com/zukousha_studio/