自家製麦茶の衛生的な管理方法

自家製麦茶の衛生的な管理方法

夏になると飲む機会も増える自家製麦茶。「作り置きしているけど、冷蔵庫で何日持つの?」「冷蔵庫から出しっぱなしにしていた麦茶は飲んでも大丈夫?」などと思ったことはありませんか?家庭で作った麦茶の衛生的な管理方法について調査しました。

【調査】麦茶を3つの方法で作って保管し 8日間の菌の量の推移を調べました

容器は麦茶の作成・保管を複数回繰り返し、新しく麦茶を作るたびに、食器用スポンジと食器用洗剤で洗浄したものを使用しました。

1. 水出し・冷蔵庫保管
市販のミネラルウォーター1リットルと麦茶1パックを容器に入れ、冷蔵庫に保管し2時間後にパックを取り出した。そのまま冷蔵庫で保管した。
  

2. 煮出し・急冷・冷蔵庫保管
3リットルの水をやかんで沸騰させ、麦茶2パックを入れて弱火で3分煮出した。火を止めてパックを取り出した。容器に移し、氷を張った桶で粗熱を取った後、冷蔵庫で保管した。
  

3. 煮出し・常温保管
3リットルの水をやかんで沸騰させ、麦茶2パックを入れて弱火で3分煮出した。火を止めてパックを取り出した後、真夏の過酷な条件下を想定し、やかんのまま常温(30℃)で保管した。

【結果】 冷蔵庫で保管することで菌の増殖が大幅に遅れます

:水出し・冷蔵庫保管
:煮出し・急冷・冷蔵庫保管
:煮出し・常温保管
※一般的には、菌が1ml当たり10万~100万個検出されると衛生的ではないとされています。
   

0日目から菌は確認できたが、大きく増殖することはなかった。
〈考察〉0日目から多くの菌が確認されたが、これは複数回麦茶の作成・保管を繰り返した容器に残っていた菌が由来ではないかと考えられる。その後冷蔵庫で保管したことで、菌が増殖することはなかった。
   

ほとんど菌の増殖は確認できなかった。
〈考察〉煮出しした麦茶を容器に移した際に、ほとんどの菌が死滅したと考えられる。粗熱を取って冷蔵庫で保管したことで、その後も増殖しなかったと考えられる。
   

麦茶作成翌日には菌が大幅に増殖した。
〈考察〉やかんでの保管は密閉できないことで、外部から菌が侵入したと考えられる。また、真夏の過酷な条件下で菌が大幅に増殖したと考えられる

まとめ

自家製麦茶は冷蔵庫で保管することで、菌の増殖を大幅に遅らせることができます。また、清潔な密閉容器を使うことで、菌の侵入を防ぐことができます。さらに衛生的に麦茶を作るなら、菌が増殖しやすい温度(30℃~40℃)になる時間を短くするために、氷水などで急冷すると良いでしょう。※環境・条件によって結果は変わる場合があります。

●Topics 〈容器の洗浄について〉
衛生的に管理されていない食器用スポンジには菌が付着している可能性があるため、食器用洗剤だけで容器に付着している菌を完全に除去できない可能性があります。繰り返し使う容器(本体、フタ、パッキン)は、麦茶を入れる前に熱湯やキッチン漂白剤などでしっかり除菌することをおすすめします。

施設情報

エフコープ商品検査センター「りんご館」

エフコープ商品検査センター「りんご館」

エフコープ商品検査センター「りんご館」では、生産者や取引先、エフコープで確認した商品基準や商品仕様書などの約束ごとが守られているか検査を通じて検証しています。安心して利用できる商品をお届けするために、さまざまな角度から検査を行っています。

◎商品検査センターについて、詳しくはこちらから
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