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vol.18 なんでやねん!
絵本の紹介でお馴染み「からすのほんや」店主 からすちゃんと、嘉麻市在住のイラストレーター maruikoちゃんの「むかし子どもだったあなたへ」
フリースクール「みんなのおうち」の子どもたちが教えてくれる、子どもとのくらしのヒントを、スクール代表のからすちゃんと一児のママmaruikoちゃんがお届けします。
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保護者に「うちの子はからすちゃんとは話し合いができるのに、親の自分には八つ当たりばかりしてくる」と言われることがあります。他人だから感情的にならずに話ができるのでしょうか? 実はそうではないのです。
子どもたちと話をするときに、私が気を付けていることがふたつあります。
ひとつ目は、その子の「存在を認めること」。
例えば、フリースクールの送迎車でお迎えに行った際に、おうちの方から「近所の方に見えないように、こっちに車を停めてください」などとお願いされることがあります。そういうとき、私は心の中で呟きます。
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学校に行っていない子が、存在を隠される。このような大人都合の行動が、どんなに子どもの心を傷つけてしまうことでしょう。
ふたつ目は、まだ行動に至ってはいないけれど、その手前にある「意識」を感じて、「言葉にして認める」ということです。
「そろそろ、学校に行ってみようかな」とか、「次の定期考査はがんばってみよう」など、子どもたちなりにいろいろと考えていたりするものです。
そして、例えば週に1日だけ学校に通うなど行動に移したとたんに、「生きていたら我慢することも大事!学校にもっと行った方がいい」と親から言われ、しぶしぶ学校に行く日を増やす…。
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このような経験をした子どもたちの目の奥から、「やる気」という熱が一瞬でなくなり、冷たくなっていく場面に出会うたびに、胸が苦しくなります。
もちろん、「結果」や「行動」で認められる世の中であることは、私だって百も承知です。でも、その前に認めてあげるべきものがあるのではないでしょうか?
行動や結果は、この「存在承認」「意識承認」の上に成り立つケースがほとんどです。存在や意識といった目に見えないところを感じる想像力と、それを共有することができる理解力。それらを口にして伝えてあげる表現力をもってすれば、今は前を向けない子どもたちの目に、確かな炎が灯るのにも、そう時間はかからないと思うのです。
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芳野仁子(よしののりこ)さん
嘉麻市生まれ。子どもの本とおもちゃの専門店「からすのほんや」店主。雑誌や新聞で絵本や子育てに関するコラムを執筆するほか、子育てに関する講座の講師も務める。
小学生対象のフリースクール「みんなのおうち」、考える力を楽しく養うキッズスクール「ひみつの国語塾」を運営。「一般社団法人 家庭教育研究機構」代表理事。
からすのほんやホームページ
http://karasubook.com/
maruikoさん
イラストレーター。福岡県嘉麻市出身・在住。展覧会などで作品を発表する他、さまざまな媒体のイラストやデザインを手がける。山に囲まれた小さな住宅街の小さな家で日々暮らしている。まるやまももこ名義で音楽活動も行っている。2015年に息子が生まれ現在子育て中。
ホームページ:
https://marumomo48.wixsite.com/maruiko