けんちゃん先生のくだもの知恵袋[すいか]

けんちゃん先生のくだもの知恵袋[すいか]

管理栄養士のけんちゃん先生こと嘉村健志(かむらけんし)さんが、果物の豆知識を教えてくれる「くだもの知恵袋」。今回は「すいか」についてあれこれ聞いてみました。それでは、けんちゃん先生お願いしま~す!

※「くだもの知恵袋」では、一般的にくだものと認識されている果実的野菜も対象としています。


はいは~い!
みなさん、こんにちは~♪ 前回の「桃」編、参考になりました~? 見てない方は、こちらからチェック💛さて、今回ご紹介するのは…

夏の風物詩とも言えるすいか。みずみずしくてシャリシャリとした食感がたまらないですよね。そんなすいかもいちごと同様、野菜的果実に分類されます。今回は、野菜としての栄養もしっかりとれちゃうすいかの魅力を、た〜っぷりお伝えします!

すいかの選び方(目利き)

●ポイントは黒い縦縞の濃さとボンボンという低い音
すいかは黒い縦縞がはっきり濃いものほど、熟して甘さが増しているサインです。また、軽く叩いて、ボンボンと低めの音がすると甘く熟していると言われ、ポンポン、パンパンなど音が高いと未熟な可能性が高いです。
ツル付きの場合はツルが緑色で新鮮なものを選ぶと良いですよ♪

●カットすいかはここをチェック!
1. 果肉と皮の境界線がくっきり
果肉と皮の境界線がくっきりしているほど、甘い可能性が高いです。

2. 種が濃い黒色
完熟した食べ頃のすいかは種がしっかり黒い色をしています。

3. 形が崩れにくい
甘いすいかは崩れにくく、糖度が低いすいかは崩れやすいと言われています。

すいかの保存方法

●丸ごとすいかは常温保存♪
直射日光を避けて風通しのよい涼しい場所で保存しましょう。
すいかの甘みを最も感じる温度は15℃前後といわれているので、食べる前に軽く冷蔵庫で冷やして召し上がれ♪ 冷やしすぎてしまうと、甘みが落ちておいしさが損なわれてしまうんですよ〜。

すいかは追熟しないので、保存期間が長ければ長いほど、特有のシャリシャリ感がなくなり果肉が劣化します。常温保存する場合は、2週間程度を目安にしてくださいね。


●カットしたすいかは野菜室へ

水分の蒸発を防ぐため、断面にラップをして野菜室へ。ただし、できるだけ早く召し上がってくださいね♪

●冷凍してシャーベット風に

すいかは冷凍もできます! 一口大にすいかを切り、皮と種を取り除いたら、軽く砂糖をまぶしましょう。砂糖をまぶしておくことで、解凍する際に薄れる甘味を補ってくれるので、おいしく食べられますよ💛
ちなみに、保存するときではなく、食べるときに砂糖をまぶしたり、砂糖なしでそのまま食べてもOK。お好みでどうぞ!

すいかには“野菜”の栄養がたっぷり

●すいかは緑黄色野菜!?
野菜的果物であるすいかは、「緑黄色野菜」に相当するほどβカロテンを豊富に含んでいます。βカロテンは、体内でビタミンAに変換され、皮膚を丈夫にしたり、免疫力を強化したりするなど、美と健康を保つ働きが期待できると言われています♪

●リコピンがとまとの約1.5倍
赤い実に含まれるリコピン。その代表格といえばとまとですが、実はすいかにはとまとの約1.5倍のリコピンが含まれているんです♪ とまとより多いなんてびっくり! リコピンには抗酸化作用があり、細胞や組織を酸化から守り、慢性疾患や老化の予防に役立つと考えられているんですよ〜。
※黄色いすいかにはリコピンは含まれていないと考えられます。

●血流を促進してくれる“シトルリン”
あまり聞き慣れない成分の「シトルリン」。スーパーアミノ酸とも言われているこの成分、実はすいかから発見されたものなんです。アミノ酸の一種で血管を拡張し、血流を促進する作用があるため、動脈硬化の緩和や、スポーツ時におけるパフォーマンス力アップ、疲労回復などの効果が報告されています。すいかは、果物や野菜の中でもダントツに「シトルリン」を含み、特に皮の白い部分には多いと言われています。今日からあなたも「シトルリン」を“ 知っとるリン ”♪ うふふっ。急なダジャレ、失礼しました(笑)

すいかの「へぇ~」な豆知識

●均等に甘さが感じられるのはどんな切り方!?
甘さが集中している中心部から切り分けると、均等に甘いすいかを楽しめます。イメージとしてはピザのような切り方! 丸ごとすいかを縦半分に切って、中心を軸に放射状に切ってみてくださいね♪ オススメです。

●リコピンを含むすいかは朝から日中に摂取がベスト!?

前述の通りリコピンを豊富に含んでいるすいか。活動が盛んになる日中に摂取すると、リコピンが活性酸素と戦ってくれるのでおすすめ♪ リコピンの特徴として、油と一緒にとると吸収率が約4倍アップすると言われています。すいかにオリーブオイルをかける…わけにはいかないと思うので(笑)、食事で油分を摂った後に、すいかをデザートにすると食べ合わせ◎ですよ〜!

皮までおいしく! すいかの皮の浅漬け

皮には、前述した「シトルリン」が果肉の2倍以上含まれていると言われています。捨てるのはもったいない! ぜひ浅漬けにして召し上がれ〜♪

【すいかの浅漬け】
<材料>
・すいかの皮…1/6玉分 
・塩…可食部の2%

<作り方>
1. 濃い緑色の堅い皮を皮むき器などでむく。一口大に切り、3〜4mmの薄切りにする。重さを量り、2%の塩を準備する。

2. 皮と塩をよく混ぜる。容器や密封袋などに入れ、冷蔵庫で30分以上置いたら完成♪ 食べる時は水気を絞って召し上がれ♪

profile

嘉村健志(かむらけんし)さん

嘉村健志(かむらけんし)さん

管理栄養士・料理研究家。「料理で色褪せない思い出を」をテーマに、福岡市と山口市で初心者向け料理教室を主宰。“けんちゃん先生”として、テレビ番組や食育イベントでも活躍している。
http://neowing-ht.com/
〈Instagram〉
https://www.instagram.com/kenshikamura/?hl=ja