おさよさんの無理せず楽しく、家族で家事シェア①
9歳の長男と6歳の長女、そして夫。4人家族のおさよさんは、掃除や洗濯、食事の用意など、さまざまな家事を家族みんなで上手にシェアしています。家のことを率先してする子どもたちと、最初は苦手だった家事を今では手伝うようになった夫。家族の“協力体制”はどのようにしてできあがっていったのでしょうか? その方法やコツについて、おさよさんに伺いました。
大まかな家事はほとんどできる子どもたち
長男は小学4年生、長女は小学1年生。2人のお子さんは今、どんな家事を手伝ってくれているのでしょう。
おさよさん:
「フローリングに掃除機やモップをかけたり、洗濯物を干したり、食事の準備や後片づけを一緒にしたりと、だいたいの家事はやってくれます。私から『手伝って』とお願いすることもありますが、自分たちで積極的にすることも少なくありません。もちろんその出来には突っ込みたくなる時もありますが(笑)、完璧は求めません。
私は、子どもたちが小さな頃から、例えば掃除をした後に『部屋がきれいになると気持ちいいね』とか『うれしいね』と子どもたちに意識的に声を掛けていました。セミナーでもよくお話しするのですが、親が子どもに自分のポジティブな感情を伝えることはとても大切です。『部屋がきれいになると気持ちいい』という感情を子どもと共有することで、子どもも掃除への興味がわいてくるのではないでしょうか」
子どもは遊び感覚で家事を楽しむ
おさよさん:
「掃除も食事の準備や後片付けも、子どもは遊び感覚で楽しんでいるところがあります。ですから、子どもが興味を持った家事であれば、完成度は求めずに何でもやらせた方がいいと思います。
わが家では、子どもたちが最初に興味を覚えたのは床掃除。常備している電解水を床にスプレーすることが楽しかったようです。そんな中である日、階段の掃除をお願いしたら、私よりずっと細かいところまで夢中になって拭いていたこともあり、大変助かりました。
楽しいと感じたら、子どもはゲーム感覚でその家事をやりたがりますので、そうなったらどんどん興味を持ったことをしてもらってください。最後には必ず『ありがとう』『きれいになったね』という声掛けが大切だと思います」
3歳を目安に家事を手伝わせてみる
では具体的に、子どもに家事を手伝ってもらうとしたら、何歳ぐらいからどのように始めるといいのでしょうか?
おさよさん:
「子どもは3歳頃からルールに沿った“ごっこ遊び”ができるようになり、社会性が身に付き始めるとされています。
もちろん個人差はありますし、成長の度合いを確認しながらにはなりますが、3歳という年齢を一つの目安にするのはいいかもしれません。
わが家の子どもたちは、6歳までに掃除機やモップを使った床掃除、洗う・拭く・しまうといった食器の片付けやシンク磨き、粘着シートでのゴミ取り、トイレやお風呂の掃除、洗濯物をたたむ・しまうなどをできるようになりましたよ」
道具は子ども専用でなく大人と一緒のものでOK
おさよさん:
「子どもが家事をする際の道具について聞かれることがあるのですが、わが家の場合、子ども用の道具を買っても使いたがりませんでした。
『もっとやる気になればいいな』と思って、子どもが喜びそうなかわいい柄の道具などを選んでみたのですが、意外なことに全然使わなくて。子どもは『お母さんと同じものを使いたい』『お母さんの真似をしたい』と考えているみたいですね。ですから、今は子どもも私と同じ道具を使いますし、娘は特にエプロンもまねして着けたがります」
夫と家事シェアをするためにとことん話し合いを
おさよさんのお宅では、子どもだけでなく夫ともうまく家事シェアができているようですが…。
おさよさん:
「結婚当初、夫は家のことは私にほぼ任せきりでした。でも、私はもともと家事がスムーズにできない上に、子どもが生まれたり仕事が忙しくなったりと、心身ともに疲れてきて…。そのような時期が続いていたある日、『このままでは良くないよね』と思って、自分がどれだけ家のことに振り回されてストレスを抱えているか、私の胸の内を夫に全部話したんです。
夫は、それまで私が悩んでいたことすら知りませんでした。私も伝えることの大切さを思い知りました。
『何で私ばかりなの?』と責めるのではなく、お互いの気持ちを前向きに伝え合って、2人が納得できる結論を出すことで、夫からも協力が得られるようになったと思っています」
一人で悩まず、家族に自分の状況を伝えて
おさよさん:
「今では夫も簡単な料理は作れますし、洗濯物も風通しを考えて干すほどになりました。私よりも干し方にはこだわっているらしく、ダメ出しをされることも(笑)。
私が出張で数日間家を空ける時、以前は子どもと一緒に近所にある実家に帰っていましたが、今は私がいなくても子どもたちと自宅で過ごしている時もあります。
私もそうでしたが、家事がうまく回らない状況でもなかなか家族に相談できず、一人で悶々とした日々を過ごしてストレスを抱えてしまう女性は少なくないのではないでしょうか。でも、夫や子どもたちに自分の状況を伝えることは本当に大事です。ポイントは“感謝の言葉を合間に伝えながら話すこと”と“前向きな家族会議だと意識して話し合うこと”なのではないでしょうか」
モノの定位置を全員で把握しておくこと
家族で家事シェアをするために最も欠かせないこと。それは、どこに何があるか、モノの場所が家族全員で把握できていることだと言います。
おさよさん:
「何がどこにあるか、何をどうしまえばいいのかを全員がわかっていれば、掃除にしろ料理の後片付けにしろ、家族はそれぞれ自分たちで家事をやりやすくなると思うんです。
そういう観点でモノを整理していった結果、ママ友から『1日中でも料理していたくなるね』と言ってもらったことも。キッチンのどこに何があるかがひと目でわかるようにしているので、子どもたちも夫も、家事を覚えることがとても早かったのではないかと考えています」
おさよさん流の家事シェアのコツ、興味深く読んでいただけたのではないでしょうか。次回は、家族と家事をシェアするためにおさよさんが実践している具体的なアイデアをご紹介します。
profile
おさよさん
整理収納アドバイザー、整理収納教育士、掃除技能検定士、片づけ遊び指導士認定講師。
9歳の長男、6歳の長女の母。数年前に投稿を始めた整理や収納、掃除などの独自の方法を紹介したインスタグラムが話題に。テレビや雑誌などでも活躍している。
近著は『スッキリ公式本 収納のおさよさんが教えるキレイが続く片づけ』(セブン&アイ出版)、『おさよさん流 がんばらなくてもキレイが続く家事の工夫』(SBクリエイティブ株式会社)。福岡県在住。エフコープ組合員歴9年。
Instagram:osayosan34
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