ベストショットを逃さない! 子どもの写真の上手な撮り方 第2話:乳幼児編
ワンパターンになりがちだったり、思うように撮れなかったり。子どもの写真って意外と難しい…そう感じている方も多いのではないでしょうか。そこで、秋のお出掛けや七五三など、子どもの写真を撮る機会が増える時期に、ぜひ知っておきたい子どもの写真の撮り方について、福岡で活躍するフォトグラファー・音𣷓潤一(おとなぎじゅんいち)さんにお聞きしています。第1話に続き、第2話では、かわいい盛りの赤ちゃんのベストショットを撮るコツをご紹介します。
聞こえる音や見えるモノで赤ちゃんの気をひく
にっこり笑ったり、こちらをじーっと見つめたり。愛くるしい赤ちゃんの表情をうまくカメラに収めるコツをぜひ知りたいのですが。
音𣷓さん:
「赤ちゃんが興味を示すモノで気をひくといいでしょう。まず、寝かせた赤ちゃんの上にカメラを構えます。そしてカメラのそばで、おもちゃを動かしたり音や光を出したりして、赤ちゃんがこちらを向いた時や笑った瞬間にシャッターをきります。できれば、撮影する人と気をひく人の二人いるといいですね。
最初はうまく撮れないこともあると思いますが、繰り返すうちにタイミングがつかめてくるはずですから、あきらめずにチャレンジしてみてください」
低いアングルから撮ってみる
音𣷓さん:
「カメラを構える位置を変えるだけでも、まったく違う雰囲気の写真を撮ることができます。例えば、寝ている赤ちゃんの写真を撮る際、いつもなら上から撮るところを、赤ちゃんの目線と同じくらいの低いアングルでカメラを構えてみてください。よりリアルな赤ちゃんの表情や雰囲気を捉えることができると思います」
親に抱かれている時もシャッターチャンス!
音𣷓さん:
「お母さんやお父さんに抱かれて安心している時なら、赤ちゃんもリラックスしているのでいい表情が撮れるのでオススメです。撮影の際、あえて親はカメラ目線にはせず、肩越しや背中越し、または赤ちゃんを眺める親の横顔越しに赤ちゃんを撮ると、普通に抱っこした写真とは違う、雰囲気のある写真が撮れますよ」
ハイハイやよちよち歩きもおもちゃで誘導
音𣷓さん:
「赤ちゃんがハイハイやよちよち歩きをするようになったら、その姿を撮影したくなりますね。この時にも、おもちゃで誘導する方法が使えます。ハイハイやよちよち歩きができるようになったら、赤ちゃんの2〜3m先に好きなおもちゃを置いて、そこに向かってくる赤ちゃんを低い位置から狙います。その際、おもちゃはフレームに入らないように撮影することで、赤ちゃんの姿が鮮明に撮れますよ」
好きなおもちゃに近づいた瞬間を撮る
音𣷓さん:
「つかまり立ちができるようになった赤ちゃんを撮る際も、おもちゃを使って、赤ちゃんの目線までアングルを下げてみるのも面白いですよ。ソファーやローテーブルの上におもちゃを置き、赤ちゃんがつかまり立ちをしながらそこに近づいた時に、おもちゃ越しに赤ちゃんの目線の高さでシャッターをきります。つかまり立ちができるようになったという成長の記録にもなり、日常のワンシーンとしても1枚の写真で残すことができます」
日を追うごとにどんどん成長する赤ちゃん。その記録は、できるだけこまめに撮っておきたいものですね。第3話では、背景の上手な生かし方や、光をうまく利用した撮影の方法についてお聞きします。どうぞお楽しみに!
profile
音𣷓潤一(おとなぎじゅんいち)さん
フォトグラファー。写真スタジオ「Photo Nagi」代表。ブライダル撮影をはじめ、広告や雑誌などの撮影を行う他、福岡市中央区のスタジオにて子どもや家族の記念写真なども幅広く手がける。子どもの絶妙な表情やシーンを捉えた、やわらかい空気感のある写真に定評がある。
・写真スタジオ「Photo Nagi」
http://www.photonagi.com