ベストショットを逃さない! 子どもの写真の上手な撮り方 第1話:じっとしていてくれない年ごろ編

ベストショットを逃さない! 子どもの写真の上手な撮り方 第1話:じっとしていてくれない年ごろ編

イベントや行楽地へのおでかけ、七五三などなど、子どもの写真を撮る機会が増えるこの時期。「今年こそかわいい子どものベストショットを!」とはりきっている方も多いのではないでしょうか。そこで、子どもの姿をよりいきいきと写真に残すための上手な撮り方を、福岡で活躍中のフォトグラファー・音𣷓潤一(おとなぎじゅんいち)さんに全3話にわたってお聞きします。第1話は、記念写真を上手に撮るための方法についてご紹介します。

子どもをじっとさせるために:その① 椅子などの道具を使う


子どもってなかなかじっとしてくれないので、写真を撮る時すごく困ってしまうんですよね。どうしたらいいのでしょうか。

音𣷓さん:
「常に動きたがる子どもに、『じっとして!』などと言ってもほとんど無理なので、そんな時は子どもが動きまわることのできない小道具をからませましょう。最も手っ取り早いものが椅子で、座らせたり座面に立たせたりすれば、とりあえずじっとせざるを得ないので(笑)、その間に手早く撮るようにします」

子どもをじっとさせるために:その② 何かに集中させる


音𣷓さん:
「子どもが集中できるような遊び道具を用意しておくのもおすすめです。その子の好きなおもちゃや興味を引くものをスタンバイしておいて、子どもがそれらに夢中になっている間にカメラを構えるんです。そして準備ができたら声を掛け、こっちを向いた瞬間にシャッターを押します」

子どもをじっとさせるために:その③ “ミッション”を与える


音𣷓さん:
「子どもが動かないようにするためのとっておきの方法が、“ミッション”を与えること。この写真は、肩に息子が今ハマっている恐竜のおもちゃをのせて、『肩から落とさないようにできるかなー?』などと声を掛けながら撮りました。こういう遊びながらの撮影なら、子どもも飽きずに面白がってくれると思いますよ。また、小物をその時に子どもが夢中になっている物にすれば、『この頃はこれが大好きだったよね』という思い出にもなります」

子どもをじっとさせるために:その④小さなおもちゃで遊ばせる


音𣷓さん:
「子どもをじっとさせつつも、撮りたい写真を撮る方法として『おもちゃを使う』という技をご紹介しましたが、そのおもちゃを小さなものにすると、写真の邪魔になりません。できるだけ目立たないものを用意して、子どもがそちらに興味をひかれている間に素早く撮影しましょう。この写真も、芝生の上におもちゃを置いているのですが、写真には写っていませんよね。雰囲気を壊したくない時にオススメの方法です」

目線を外した写真も撮ってみましょう


音𣷓さん:
「記念写真というと、ついついカメラ目線ばかり狙ってしまいがちですが、子どもが何かに夢中になっている写真もすごくかわいいものです。遊んでいる、本を読んでいる、テレビを観ている…そんな日常のさりげないシーンを写真で残しておくのも、とてもいい思い出になるのではないでしょうか」

ここぞという時の記念写真は、まずは大人と一緒に


七五三などの際、子どもが晴れ着を着た記念写真は必須だと思いますが、上手な撮り方のコツはありますか?

音𣷓さん:
「いつもと違う衣装を着せると、大体子どもは恥ずかしがります。その状態で、みんなが注目する中、1人で立たせて撮影するのはなかなか至難の技です。そんな時はひとまず、おじいちゃんやおばあちゃん、きょうだいなど、他の人と一緒に撮影するようにしましょう。そんなふうにして場の雰囲気に慣れさせてから、『◯◯ちゃんのかわいい写真も撮ろうねー』などと上手に声を掛けながら、その子の単独の写真を撮るようにしてみてください」

記念となるモノを主役にした写真も忘れずに


音𣷓さん:
「お決まりの記念写真を撮ったら、子どもだけでなく、その日の記念となるモノも忘れずに撮っておきましょう。その際も、モノだけでなく子どもも一緒に撮った方がより楽しい写真になります。

七五三なら、千歳飴も撮っておきたいですよね。この写真は『千歳飴の持ち手からカメラを覗いてみて!』とリクエストしたもの。大体子どもはそういう“遊び”が好きですから、協力してくれます。子どものポーズとしてもユニークですね」

記念写真の撮り方、いかがでしたか? 今回ご紹介したコツを踏まえてぜひ、これまでとはひと味もふた味も違った子どもの写真にチャレンジしてみてください。次回は、かわいい盛りの赤ちゃんの写真の撮り方についてご紹介します。

profile

音𣷓潤一(おとなぎじゅんいち)さん

音𣷓潤一(おとなぎじゅんいち)さん

フォトグラファー。写真スタジオ「Photo Nagi」代表。ブライダル撮影をはじめ、広告や雑誌などの撮影を行う他、福岡市中央区のスタジオにて子どもや家族の記念写真なども幅広く手がける。子どもの絶妙な表情やシーンを捉えた、やわらかい空気感のある写真に定評がある。

・写真スタジオ「Photo Nagi」
 http://www.photonagi.com