プロに聞く 秋のお掃除計画

季節はもう秋。衣替えのシーズンでもあるこの時季は、お掃除をする大チャンス。年末に向けてプランを立てておけば、12月の大掃除で大変な思いをすることもなく、スッキリ片付けることができます。今回は、整理収納コンサルタントの里館友子さんに、秋の掃除のコツを教えていただきました。

お掃除は年に2〜3回、念入りにすることをおススメしていますが、特に気候の良い春と秋は絶好の季節。もちろん、年末の大掃除は新年を迎えるための“行事”でもあるので、掃除をすることには大賛成ですが、寒さが厳しいので、億劫になってしまいがちです。また、気温が低いと汚れが落ちにくくなってしまうので、お湯や洗剤をたくさん使ったりと面倒なことも多くなります。
その点、衣替えのシーズンでもある春や秋は、寒くもなく、空気も乾燥していて、日頃はあまり手を掛けない所をキレイにするのに最適。盲点になりがちな所をこの機会にキレイにしてみませんか？

中の物を全部出したら、服など収納していたものやクローゼットの内部をチェック！ カビやニオイはありませんか？ 湿度と温度、栄養になる“汚れ”などの3つがそろうと、カビ菌は繁殖を開始。押し入れやクローゼットの中はこうした条件がそろいやすいので要注意です。

1. カビはエタノールでオフ！
押し入れやクローゼットの壁面や床に生えたカビは、エタノール液をティッシュなどに含ませて拭き取ります※1。エタノール液は除菌の効果も期待できるので、何かとお役立ちアイテムです。
※1 皮や白木には使えません。

2. 湿度計を取り付ける
日頃から押し入れやクローゼット内の状態を把握しておくことが大切です。湿度が70％以上になると、カビが繁殖しやすくなるので、湿度計を取り付け、状況の確認をしてみましょう。

★〈湿気対策〉内部を乾燥させる
湿度が高いときは、押し入れやクローゼットの扉を開け放ち、扇風機や除湿機を利用して、内部を乾燥させます。また、すのこなどを使って、風の通り道を作るのも効果的。湿度計を見ながら、調整してみてください。

カーテンは、外のホコリや雑菌、花粉などを吸着し、実はかなり汚れています。洗えるカーテンも多いので、まずはタグの洗濯表示をチェックして、適したケアをしましょう。

1. カーテンのゴミを取る
カーテンに付いているゴミを掃除機で取り除きます。ベランダなどがあれば、フックから外して払ってもOK。

2. 洗濯機で洗う
カーテンに入っているタックのひだを目印に、山折り谷折りをくり返して折りたたみ、ネットに入れて洗濯機の弱水流で洗います。脱水は1分程度でOK。あとはそのまま取り付けて、自然乾燥させます。

ラグは生活環境で汚れ方が異なります。ダイニングに子ども部屋、リビング…など、汚れの原因が違うからです。汚れの種類（油性、水性など）を見極めて掃除することが大切です。

1. ラグのゴミを取る
表面のゴミを掃除機などで丁寧に除きます。さらに、固く絞った雑巾にセスキ水を吹き掛けたもので、方向を変えながら拭いてください。ペットがいる家庭はゴム手袋を付けてラグをなでると毛も取れます。

2. ラグの毛足を起こす
よく座る場所などで、毛足が寝ているときは、上記と同様に、セスキ水を吹き掛けた雑巾で毛足を起こすようになぞってください。ドライヤーの風を当てながらブラッシングすれば毛足が復活します。

12月に大掃除であたふたしないために、今からお部屋をキレイにしておくことをおススメします。10月から12月までに重点的に掃除をしておきたいポイントをご紹介します。

10月の平均気温は19.8度※とまだまだ暖かい状況です。寒い時季よりも油汚れが落としやすいので、キッチンまわりを重点的にキレイにしておきます。ほぼ全ての汚れはセスキ水でOK。五徳などに付いたしつこい油汚れは、水と重曹を入れた鍋で煮ると、油もにおいもスッキリします。

平均気温は13.6度※とかなり低くなってきますが、キンキンに水が冷たくならないこの時季に、窓やお風呂場、洗面所など水まわりのお掃除を。日頃、見落としがちな洗濯機やその排水口などを見てみましょう。ホースを外してみると、予想以上に汚れがたまっていますよ。

平均気温は10.3度★と寒さが厳しくなってきます。落ち葉の季節ですから、掃き掃除に加え、いつもはあまり気にすることがないベランダにも目配りをします。マンションはベランダの避難経路が確保されているのかもチェックしてみましょう。門扉やサッシのレール、仏壇などもこの季節に。

★気温データは、気象庁が公開している2019年の月ごとの平均値を掲載しています（地点：福岡市福岡）。