【嘉麻市】大人も子どもも、アートにワクワク!「織田廣喜美術館」。新遊具が登場した公園も隣接

【嘉麻市】大人も子どもも、アートにワクワク!「織田廣喜美術館」。新遊具が登場した公園も隣接

今回チアちゃん・デイズくんと一緒に訪れたのは、筑豊出身の画家・織田廣喜(おだひろき)さんの作品を展示する「嘉麻市立 織田廣喜美術館」。赤ちゃん連れにやさしい設備や子ども向けイベントも充実していて、親子でアートを楽しむことができますよ。隣接する「碓井琴平公園」と美術館から徒歩10分の場所にある「道の駅 うすい」と一緒にご紹介します!
チアちゃん・デイズくんの紹介ページはこちら

【目次】
●自然光で満ちる明るい美術館
●「織田廣喜」って?見て、感じてみよう
●織田夫妻の絆にふれる
●子どもと楽しめる無料ゾーンも
●アートを体感できる庭園をおさんぽ
●お隣「碓井琴平公園」の遊具もチェック
●車で3分♪「道の駅 うすい」も満喫
●施設詳細・アクセス

自然光で満ちる明るい美術館

“オダビ”の愛称で親しまれる「嘉麻市立 織田廣喜美術館」は、福岡県のほぼ中央、嘉麻市の旧炭鉱跡に立地しています。古処三山を望むのんびりとした風景によくなじむ、シンプルでいて洗練された造りのミュージアムです。

漆喰の壁や安定感がある建物のデザインに、すでに、アートを感じます!

エントランスで館内MAPをチェック

館内は明るい光でいっぱい。それもそのはず、建物の屋根付近には多くの天窓や窓が設けられていて、柔らかな自然光がふんだんに取り入れられているんです。

床や天井にあしらわれた大理石の白さは、目にまぶしいほど!

天井の一部。陽の光に、大理石の模様が浮かび上がる

受付を済ませたらさっそく常設展へ。こちらの美術館の主役である織田廣喜さんのアートの世界が待っています。

展示室の入口

常設展は展示室1〜4にかけて展開されています。マナーを守りながら、気の向くままに、自由に絵を楽しみましょう!

展示室1の入り口には「美術館でどういうふうに絵を見ていいのかわからない」というお子さんも楽しめるように、スタッフが作成した子ども用のワークシートも用意されています。

「織田廣喜」って?見て、感じてみよう

織田廣喜さんは、1914年に福岡県千手(せんず)村に生まれ、少年時代を碓井村(いずれも現在の嘉麻市)で過ごした洋画家。父が持っていた画集を好み、模写して遊ぶなど、幼少期から絵に親しんでいた人物です。

目に見えるものにとらわれず好きな色で空や草を塗ったり、「ない方が美しいから」と電柱を描き入れない自由な風景画を好んで制作していたそうで、学校の写生大会で教師に叱られることもあったのだとか。

展示室1には、そんな彼が生涯にわたって生み出してきた作品の数々が、時系列で展示されています。下の写真のうち、左端の「下臼井の風景(旧作)」は、上京したてで本格的な絵を始める前だった18歳の頃の作品。右横は20代前半ごろの作品です。いずれも、のどかな風景の中に現在と変わらない嘉麻の山々の稜線が写し取られています。

上京したのちも働きながら苦学して画家になり、二科展で活躍するように。第二次世界大戦中には召集され画業を中断したものの、終戦後、再開された第一回目の二科展で画家のリラさんと出会い、結婚しました。

戦後の苦しい時代を経て、これまで想像だけで描いていた憧れのパリに初めて訪れたのは46歳のとき。見たものを「描きたい」という直感のままに一心不乱に描き続け、やがて日本でもフランスでも認められていったのだそうです。

パリの風景画

取材時には展示室1の一画に学芸員さんたちが好きな1枚をセレクトしたコーナーも設けられていました。

さまざまな時代の、さまざまなモチーフの絵がずらり。

すべて織田作品なのにそれぞれ雰囲気が違っていて、見応えがあります。美術館では織田さんの作品を約300点所蔵しており、常設展は定期的に展示替えが実施されているそうです。訪れるたびに新たな発見ができそうですね!

赤い帽子の幻想的な少女は、織田さんが好んで描いたモチーフ

織田夫妻の絆にふれる

続く「展示室2」は、キャンバスサイズ200号以上の大作が並ぶ部屋。織田さんご本人がイメージした通りの設計や配置を実現した特別な空間なのだそうです。

驚いたのは、天窓から自然光が差し込んでいること!一般的に、美術館では作品保護のために日光をシャットアウトするのが常識ですが、光でいっぱいの造りになっています。これは織田さんが屋外での制作を多く行っており、作品本来の魅力を自然光の中でより深く感じていただくためなのだとか。その日の天気や時刻によって光の表情が変わる、型破りな展示室になっています。

展示室2では、4人の女性を描いたのどやかな作品がひときわ目を引きます。戦後に描かれた織田さんの代表作「讃歌」です。

よく見ると、キャンバスにつぎはぎが。これは、大きなキャンバスが手に入らなかった物不足の時代に、リラさん(当時は婚約者)が古いキャンバスの絵をナイフで剥ぎ取って畳針で縫い合わせ、一枚のキャンバスに仕立てた跡なのだそうです。

また「讃歌」は、ほかの絵の具よりも安く手に入ったという黄色を基調に描かれています。夫婦の絆と工夫によって生み出された作品なのですね。

「讃歌」の対面には画家本人の構想通り、もうひとつの大作「水浴」が掛けられています。訪れた際にはぜひ、部屋中央の椅子に座ってゆっくりと鑑賞してみてくださいね。

さて、常設展は、油絵以外の作品が集められた展示室3、織田さんを撮影し続けた2人の写真家の作品が鑑賞できる展示室4と続きます。

展示室4の一角。背後の抽象画はリラさんの作品

展示室4には本人が使用していた画材や服も展示されています。アトリエの机と椅子を再現した一角も。織田さんの暮らしぶりを垣間見ることができますよ。

子どもと楽しめる無料ゾーンも

常設展など有料ゾーン以外の美術館の設備は、誰でも無料で利用することができます。赤ちゃんや子どもと一緒に近くを訪れたなら、入り口右側にあるサロンに立ち寄ってみるのがおすすめ!

サロンでは画集や絵本などを無料で閲覧できるほか、自由に遊べる折り紙も用意されています。

ベビーベッドや調乳もできる授乳室もあり、赤ちゃん連れには助かりますね!

また、エントランスホールには携帯キャリア企業のインターネットCMで使われた「森の木琴」のレプリカを設置。グッドデザイン金賞にも選ばれた美しい音色の一部を実際に体験することができます♪

転がる木の球が奏でるのは、バッハの「カンタータ」。心地よい素朴な音色がエントランスホールに響きます。

また、受付の脇には小さなミュージアムショップもあり、織田さんの作品のポスターやポストカードなどを購入することができますよ。

なお、美術館では、ワークショップや企画展など子ども向けのイベントも定期的に開催されています。夏休みには“学校の宿題を解決しよう!”という小学生に向けたとりくみ、「アートラボ」の開催も予定されているそう。
いずれも公式サイトにて随時告知・参加募集情報がアップされるので、チェックしてみてくださいね。

[イベント情報]
夏の特別企画展「柴田ケイコとくいしんぼう -柴田ケイコ絵本原画展-」

『パンどろぼう』シリーズでおなじみの絵本作家・柴田ケイコさんの作品にフォーカスする企画展。今回は「食べること」をテーマにおいしそうな絵本の世界をご紹介します。

期間:2025年6月14日(土)〜8月31日(日)
料金:一般1,000円、高校生・中学生500円、小学生以下無料

アートを体感できる庭園をおさんぽ

美術館には、広い芝生広場が隣接しています。手入れの行き届いた気持ちのいいスポットなので、館内をめぐり終わったら、ぜひ立ち寄ってみましょう。

広場にもアート作品が点在。「これなんだろう?」と、想像が膨らみます!

広場を囲む遊歩道は一周350メートル。天気のいい日には、軽いおさんぽコースとして楽しめますよ。

お隣「碓井琴平公園」の遊具もチェック!

美術館の隣には桜の名所として知られる「碓井琴平公園」があります。

桜並木の遊歩道をどんどん進むと、楽しそうな遊具がいっぱいのゾーンに到着!

ネット遊具「やまびこの樹」

土管など昔ながらのレトロな遊具や「やまびこの樹」などの新しい遊具もあり、遊びが広がります。

離れた場所に声を送ることができる「伝声管」もあり、子どもはもちろん、大人も遊び心をくすぐられます。

ボール遊びができる広場もあり、いっぱい体を動かして遊ぶことができますよ。広場の脇には藤棚もあり、例年5月上旬に見ごろを迎えるそうです。

車で3分♪「道の駅 うすい」も満喫

たくさん遊んでおなかが空いたら、「嘉麻市立 織田廣喜美術館」から車で3分・歩いて10分のロケーションにある「道の駅 うすい」を訪れてみては。

名物・嘉穂牛をはじめとする地元の産品が並ぶ物産販売所で、できたてのお弁当や惣菜を購入することができます。

嘉麻市が誇るブランド牛・嘉穂牛

新鮮野菜から魚介まで盛りだくさん!

内陸の道の駅でありながら、海の幸が充実していることも特長です。炭鉱の町として栄えていた時代から玄界灘や響灘の漁師とのつながりが深く、令和の今でも新鮮な魚介類を直接仕入れるルートがあるからなのだそう。

お弁当や惣菜が充実

道の駅には鮮魚店が営むうどん店「嘉麻うどん めん蔵」や「珈琲焙煎工房 まめや福岡総本店」が併設されていて、ランチにもこと欠きません。

珈琲焙煎工房 まめや福岡総本店の「牛すじカレー」(600円/大盛りは750円)

弁当・惣菜や、併設「パン工房 ルピエール」のパンは、テラス席で食べることもできますよ。

金・土・日曜のみ営業の「嘉穂牛屋」の嘉穂牛メンチカツ(100円)も大人気! 週末に訪れた際には要チェックです。

今回のおでかけでは美術館とその周辺のお楽しみスポットを巡り、心も体も満たされる1日となりました!大人も子どもも満喫できるアートな町に、みなさんもぜひ訪れてみてくださいね。

施設情報・アクセス

施設情報

嘉麻市立 織田廣喜(おだひろき)美術館

嘉麻市立 織田廣喜(おだひろき)美術館

福岡県嘉麻市上臼井767
問合せ:0948-62-5173
開館時間:9時30分〜17時30分(入館は17時まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は直近の平日)、毎年12月28日~1月4日
※ほか館内整理特別休館日あり
入館料:一般330円、高校・大学生220円、小学・中学生110円
※妊娠中の人は入館無料(母子健康手帳要提示)
※毎週土曜日は高校生以下入館無料
※その他入館料免除について詳しくは下記ホームページを参照
駐車場/30台(無料)
アクセス/八木山バイパス筑穂ICより約20分

碓井琴平公園
福岡県嘉麻市上臼井544番地
問合せ:0948-42-7042(嘉麻市土木課)
入園自由
アクセス/織田廣喜美術館直結

●「嘉麻市立 織田廣喜美術館」ホームページはこちら
https://odabi.libweb.jp/

✔︎こどもとお出かけDATA
◎多目的トイレ/あり
◎おむつ替えシート/あり
◎売店/なし
◎飲食店/なし
◎授乳室/なし
◎ベビールーム/なし
◎ベビーカー貸し出し/なし
◎コインロッカー/なし

店舗情報

道の駅 うすい

道の駅 うすい

福岡県嘉麻市上臼井328番地1
問合せ:0948-62-4400

定休日:店舗により異なる ※毎年1月1日〜1月4日は全店舗休業
営業時間:物産販売所9時〜18時30分

駐車場/175台(無料)
アクセス/織田廣喜美術館から車で3分・徒歩10分
●「道の駅 うすい」ホームページはこちら
https://michinoeki-usui.jp/

✔︎こどもとお出かけDATA
◎多目的トイレ/あり
◎おむつ替えシート/あり
◎売店/あり
◎飲食店/あり
◎授乳室/なし
◎ベビールーム/なし
◎ベビーカー貸し出し/なし
◎コインロッカー/なし