【久留米市】かわいい魚たちにも会える!筑後川の生きものや水害について学べる無料施設「くるめウス」

【久留米市】かわいい魚たちにも会える!筑後川の生きものや水害について学べる無料施設「くるめウス」

久留米市・筑後川のほとりから、治水や減災、自然保護の大切さといった防災情報を発信する「筑後川防災施設 くるめウス」。と言うと「なんだか難しそう、大人向けのお堅い施設かな?」と思われそうですが、実は、筑後川の生きものが観察できるジオラマ水槽があったり、キッズコーナーがあったりと、ファミリーでのお出かけ先としてもおすすめの場所なんです。季節や天候を問わずに楽しめる屋内施設でいて、無料なのもうれしいポイント。学びと工夫がいっぱいの館内を、チアちゃん・デイズくんと一緒にご案内します!

チアちゃん・デイズくんの紹介ページはこちら

【目次】
●筑後川と高良川に囲まれた学びの場
●迫力満点のジオラマ水槽
●キッズコーナーも大充実
●筑後川の恵みと水害の脅威を知る
●楽しい体験プログラムも実施
●施設詳細・アクセス

筑後川と高良川に囲まれた学びの場

「くるめウス」があるのは、筑後川と高良川の合流点。昭和28年(1953年)の大水害から50年の節目となる2003年に建てられ、地域の防災拠点として筑後川の情報を住民に発信しています。

入り口付近の水槽で会える! ニッポンバラタナゴ(クルメウス)

「くるめウス」という名称は、コイ科の小型淡水魚「ニッポンバラタナゴ」の別名・クルメウス(学名Rhondeus ocellatus kurumeus)に由来しています。クルメウスとは“久留米産の”という意味で、筑後川で捕獲された個体が同種の基準の標本になったことから名付けられたのだとか。久留米とゆかりの深い魚なんですね。

館内の主な見どころは3つ。筑後川の水害や治水の歴史に関する展示ゾーン、筑後川流域を再現したジオラマ水槽、キッズコーナーです。今回は、エントランス右側に広がるジオラマ水槽から見ていきましょう!

迫力満点のジオラマ水槽

ジオラマ水槽「筑後川の仲間たち」は、川遊びの機会が少なくなった現代の子どもたちも、地域の生きものについて知り、身近に感じることができるようにと設置されたゾーン。筑後川の上流・中流・下流、それから河口に暮らす生きものたちが観察できます。

上流域の渓流に生息する魚たちを見上げながら、アーチをくぐると…

平野部を流れる中流域に暮らすコイ科やドジョウ・ナマズ類などの魚たちが待っています!

コイにおやつをあげられる水槽もあります。手すり付きの階段があるので、大人が一緒なら小さなお子さんでも大丈夫。

コイのおやつ購入は事務所前のガチャガチャで

コイのおやつ購入は事務所前のガチャガチャで

おやつ代の100円は、災害復旧支援活動や絶滅危惧種の系統保存活動に役立てられるそうですよ。

河口域・干潟の生きものたちの展示エリアは、干潟を模した造り。

有明海のシンボル・ムツゴロウと、トビハゼを発見! 一見そっくりですが、ムツゴロウの方が大きく、背中に青い斑点があることから見分けがつきます。

ムツゴロウとトビハゼに会ったら、目を観察してみてくださいね。なんと、瞳がハート型なんですよ!

この他にジオラマ水槽ゾーンには、古代の生きものや植物の化石、伝統的な漁の道具なども展示されています。じっくりと観察してみると、いろいろな発見があるはず!

ジオラマ水槽の他にもたくさんの水槽があり、なかでも、「宇宙メダカ」は見ものです。宇宙メダカとは、宇宙飛行士の向井千秋さんと一緒に宇宙飛行をしたメダカ(ヒメダカ)の子孫たちとのこと。2023年9月現在、52世たちが元気に暮らしています!

スッポン

ウナギやスッポンなど古くから筑後川に暮らす生きものはもちろん、外来種の展示もあり、川の生きものたちの「今」を知ることもできますよ。

キッズコーナーも大充実

未就学から小学校低学年くらいまでの子どもと一緒なら、館内奥の「キッズコーナー」もおすすめです。筑後川に面した一角には絵本や子ども向けの本が並んでいて、靴を脱いでカーペットの上でゆっくりと読むことができます。

マグネット式の手づくりおもちゃも設置されています。コツをつかめば小さなお子さんでも簡単に釣れるので、盛り上がりること間違いなし!レアな魚が釣れたらラッキー!

こちらは、久留米市からほど近いみやま市の郷土玩具「きじぐるま」。館内を楽しく引きながら歩くことができます。

キッズコーナーの近くには、防災用品に関する展示も。現物を手に取って確認できるので、わが家の防災用品を考える際の参考になります。新聞紙やラップの活用法など、いざというときに役に立ちそうなアイデアも掲示されているので、ぜひ、チェックしてくださいねー♪

また、キッズコーナーの奥は筑後川に面した遊歩道につながっています。お子さんと一緒に周囲を軽く散歩するのも、楽しそうです!

館内にはライブラリールームもあり、自由研究に役立ちそうな本がズラリ!パソコンやタブレットも設置されていて、久留米工業大学の学生が開発したオリジナルゲームで遊ぶことができますよ。

筑後川の恵みと水害の脅威を知る

中央は、洪水避難時に使うための「あげ舟」

続いて、防災施設としての「くるめウス」の核である、“筑後川の治水と水害の歴史”に関する展示ゾーンをご紹介。ここでは、写真と資料が散りばめられた「歴史ウォール」や立体的な「流域マップ」などを通して、筑後川と流域の人々のくらしがどのように結びついているのか、深く知ることができます。

筑後川と人々のくらしを再現するジオラマも

子どもには難しいかもしれませんが、大人が説明してあげながら見て回りましょう!

展示の中でも特に見ておきたいのが、筑後川3大洪水のひとつ「昭和28年水害」に関するもの。この水害は、流域に死者数147人、被災者数約54万人という甚大な被害をもたらしました。エントランス脇の「昭和28年水害モニュメント」からは、当時の水位の高さ、流出物の様子などが実感できます。

ギャラリーでは、ほぼ常設に近い形で写真展も実施。当時の報道写真や新聞記事も読むことができ、資料のあちこちに、当時をよく知る人が来館した際に残していった肉筆の付箋メモが貼られていて、貴重な生の声を知ることができます。

楽しい体験プログラムも実施

くるめウスでは、クイズラリーや川遊び、カヌー体験、周辺の生きもの調べ、工作など、親子で参加できるさまざまなワークショップも開催されています。

夏に行われた川遊び体験の様子

イベント情報はくるめウスの公式サイトやSNSにアップされるので、気になったらこまめに覗いてみてくださいね!

館長の川嶋睦己(かわしまむつみ)さん。『福々亭金太郎』の芸名で“創作ぼうさい落語”活動も行っています

館長で防災士の川嶋さんからは「筑後川は、水道用水として福岡市の人口も含めた300万人近い人々の暮らしを支える大きな川です。私たちにとって欠かせない恵みを与えてくれる面、また、大きな災害を起こしてきたという怖い面も含めて、もっと関心を持って、知っていただければと思います」とのメッセージをいただきました。


大人も子どももたくさん遊べて、たくさん学べる「くるめウス」、ぜひ一度立ち寄ってみませんか?わが家の防災について改めて考えるきっかけをもらえますよ!

施設情報・アクセス

施設情報

筑後川防災施設 くるめウス

筑後川防災施設 くるめウス

久留米市新合川1-1-3(百年公園東側) 「ゆめタウン久留米」奥
TEL:0942-45-5042
開館時間/9:30〜17:00
休館日/月曜日(祝日の場合は火曜日)、年末年始
駐車場/約20台(無料) ※百年公園駐車場も利用可

●ホームページはこちら
http://kurumeus.net/


※情報は2023年9月時点のものです。

✔︎こどもとお出かけ DATA
◎多目的トイレ/あり
◎おむつ替えシート/あり
◎売店・飲食店/なし
◎授乳室/なし
◎ベビールーム/なし
◎ベビーカー貸し出し/なし
◎コインロッカー/なし