18歳から『大人』です! 〜成年年齢引き下げでトラブルに巻き込まれないために〜

18歳から『大人』です! 〜成年年齢引き下げでトラブルに巻き込まれないために〜

2022年4月から成年年齢が18歳に引き下げになります。今回は、2022年9月に消費生活相談員の岡村文重さんを招いて開催した「エフコープ消費者被害防止講演会」の内容をもとに、成年年齢引き下げによってどんな影響があるのか、トラブルに巻き込まれないための注意点なども紹介します。

未成年者契約の取り消しができなくなります!

子どもが18歳を迎えると、保護者の同意なく、携帯電話の契約、アパートなどの賃貨借契約、高価な商品やサービスの契約、クレジットカード作成、借金などさまざまな契約ができるようになります。一方で、20歳が維持されるものとして、飲酒、喫煙、公営ギャンブル、大型・中型自動車運転免許の取得などがあります。

警戒心がまだまだ薄く、狙われやすい「新成人」

約140年ぶりに成年に関する民法が改正され、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。成人になると、保護者の同意なくさまざまな契約ができるようになる一方で、未成年者契約の取り消しもできなくなります。クレジットカードを作って買い物をしたり、借金の申し込みもできるため、契約の重みを冷静に考え、迷ったら申し込まず、ハッキリ断る勇気を持つことも重要です。

18歳といえば、多くの子どもにとって進学や就職で生活が一変する節目。家族や学校に守られていた世界から解放されて気が大きくなり、自分の力を過信してしまう年頃です。まだ経験が浅く、契約に関する知識や警戒心が乏しい反面、本人にはその自覚がありません。物事のいい面だけに目を奪われがちでもあるため、だます側にとっては格好のターゲットです。

若者を狙った悪質商法はいろいろありますが、「もうけ話」には注意が必要です。新型コロナウイルス感染症の影響でバイトの収入が減った学生も少なくないようで、「簡単にもうかる」との説明を信じて、暗号資産への投資や、海外のオンラインカジノのマルチ商法(商品が介在しないモノなしマルチ)などを契約したけれど、「説明と違った。返金してほしい。」という相談が増えています。
そもそも、簡単にもうかる話はないことを、成人する前から子どもに伝えておくことが大切ですね。

SNSがきっかけのトラブルが多発

今、若者の消費者トラブルのほとんどがSNSをきっかけに起こっています。実は、勧誘者にとってもSNSは大変便利なツールとなっていて、効率的にターゲットを収集し、ダイレクトメッセージで接触してきます。やりとりを重ねることで知り合いと錯覚するのか、簡単に相手のことを信用し、誘われるまま契約してしまう事例が後を絶ちません
驚いたことに、直接会って現金を手渡しても領収書も未受領、相手の住所や氏名、電話番号すら確認していない場合も多く、相手にSNSをブロックされてしまうと、返金交渉すらできません。
また、SNSの広告にも要警戒です。化粧品などが割安になっている広告を見て1回だけお試しできると思って注文すると、2回目以降は高額な定期購入になっていて解約できないという相談も急増しています。

こんなトラブルにも気をつけましょう!

●ネット通販の詐欺サイト
通信販売には、無条件で契約解除できるクーリング・オフ制度がありません。さらに、代金を指定口座に振り込んだけれど商品が届かない、サイトに表示された写真と全く異なる粗悪品が届いたが業者と連絡不能などの詐欺的な被害も急増中。文前には、必ず業者の住所、電話番号、返品条件などを確認しましょう

●クレジットカードのリボ払い
毎月の支払額を抑えられるリボ払いは、支払い期間が長くなるだけではなく、分割手数料がかさみ支払い総額も増えるため、安易な利用は多重債務に陥る危険があります。リボ専用カードもあるので、申し込む際には契約内容の確認を。利用明細も必ずチェックし、身に覚えのない請求があればカード会社に連絡を

●「無料相談」による二次被害
アダルトサイトに接続し、ワンクリックしただけで登録完了となり高額請求を受けた場合などに、インターネットで見つけた無料相談窓口に相談すると、「無視すると大変なことになる」と不安を煽られ、有料の契約を勧められるケースも。ワンクリック請求に対しては支払わず、188に相談してください。

トラブルに巻き込まれないために

◎ SNS上でのアプローチに対する警戒心を高める
  SNSが勧誘のきっかけとなりやすいツールだと認識する
  →相手と連絡不可能になる場合もあることを意識

◎ 行政の無料相談窓口の活用
  →消費者ホットライン  (局番なし)188
   福岡県(小中高生対象)ネットトラブル相談窓口
   0120-494-100(LINE、メール相談あり)

◎ 契約に関する知識を学ぶ(クーリング・オフ制度など)
  悪質な業者の手口、マインド・コントロールを知る
  →独立行政法人 国民生活センターのホームページを参照

消費者ホットライン(局番なし)188とは
局番なしの188に電話をして郵便番号を入力すると、その時間に開庁している最寄りの消費生活センターにつながり相談ができます。お気軽にご相談ください。