いくら必要?どう貯める?子どもの教育費 第2話

いくら必要?どう貯める?子どもの教育費 第2話

前回は、教育費の概算や準備の仕方をエフコープのLPA(ライフプラン・アドバイザー)※である竹上さんに、教えていただきました。かなり大きな額になる教育費。上手にやりくりしなければ、大きな負担になってしまいます。今回はその具体的な対策について、ご自身にも4人のお子さんがいらっしゃる竹上さんにお話を伺いました。
※生協所定のセミナーを修了した組合員

奨学金を利用する


親にとっては、できるだけお金を掛けずに本人の望む教育を受けさせられることが重要です。仮に学費を300万円くらい貯めたとしても、一人暮らしをしないと通えない学校に進学することになったら、全然足りないことも。そんなときは「学費を援助してくれる奨学金制度を利用してみては」と竹上さんは言います。

竹上さん:
「自分たちで貯めたお金だけで教育費をまかなえないときは、奨学金制度を利用してはいかがでしょうか。私も4人の子どものうち3人が県外の大学に進学したので、大学進学の折にはそれぞれ奨学金を借りました。

ただし、その奨学金を返済するのは子ども本人なので、事前に“これだけのお金を借りてまで、本当にその学校に行きたいのか”“自宅から通える大学で、同様の学部のあるところではだめなのか”といったことを、よく話し合っておくことが大切です。

奨学金の利率は比較的低めに設定されてはいますが、どれくらい借りるのか、どれくらいなら返せるのか、現実的なシミュレーションをしておきましょう。

もちろん、大学卒業後にきちんと就職できるようにしておかないと、結局は子どもが大変な思いをすることになってしまいます。

そんな覚悟が必要であることも、伝えておくべきですね」

節約以外の方法を考える


お金がなかなか貯まらないのは、人それぞれ理由があるかとは思いますが、“無い袖はふれない”といいます。子どもの希望をかなえてあげたいと思うと、なんとかお金を工面する努力も必要です。

竹上さん:
「若い夫婦の場合は、住宅ローンなども重なって、なかなかお金を貯めることが難しいかと思います。

少しでも教育費を貯めるために、例えば自治体から給付される“児童手当”には手をつけずに貯めておくなど、少しずつでもいいので、貯蓄にまわすことを考えた方がいいですね。

また、教育費なら非課税になる贈与があるので、状況が許すなら、子どもの祖父母にお願いして援助を受けるということも選択肢に入れてみてはどうでしょうか。

もちろん、節約するのにも限度があります。もし、今が専業主婦(夫)で昼間に時間があるのなら、パートでもいいと思いますので、仕事に就いて世帯収入を増やすことも考えた方がいいでしょう」

家計の状況を正直に話しておく

小さかった4きょうだいも、今は高校生の末っ子以外は大学生になり、それぞれの道へ。

竹上さんは、教育費のことを親だけの問題にせず、子どもと一緒に考えることが、金銭教育のいい機会になるとも言います。

竹上さん:
「大学を受験する年齢くらいになったら、できるだけ具体的に、家計の状況を話すべきだと私は思います。

わが家でも、長男が学費のことを心配して「うちってお金あるの?」とか「どれくらいだったら出してもらえるの?」と尋ねてきたので、正直に年収や貯蓄の話をしました。

「あれがしたい」「これを学びたい」と子どもが言ってきたときに、親としては一方的に“お金がないからあきらめろ”とは言いたくないと思うんです。だからこそ、一緒に一番いい方法を考えていきたいですよね」

やはりお金のことは、できるだけ具体的に話し合ったほうがよさそうです。その上で、子どもが望んでいる教育が受けられるようにする方法を考える。それが大切なのではないでしょうか。


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竹上安希(たけがみあき)さん

竹上安希(たけがみあき)さん

エフコープのLPA(ライフプラン・アドバイザー)。4人の子どもの母。フルタイムで仕事をしながら、LPAとして「ママのスキルアップ講座」などの講師を務めて5年目。