赤ちゃんもママも癒やされるベビーマッサージ

赤ちゃんもママも癒やされるベビーマッサージ

赤ちゃんはママのぬくもりが大好き。愛情いっぱいのママとの触れ合いが、赤ちゃんの心と体の健やかな成長を促します。そこで今回は、毎日のちょっとした時間に、赤ちゃんとママにとっておきのリラックスタイムをもたらしてくれるベビーマッサージをご紹介。チャイルドボディインストラクターの根岸尚美さん(左)が、生後3カ月の赤ちゃんを育てる新米ママに、手軽にできるマッサージの方法をレクチャーします。

赤ちゃんにも、ママにもうれしいベビーマッサージ


最初に、ベビーマッサージの基本的なことについて根岸さんに聞いてみました。

根岸さん:
「ベビーマッサージとは、赤ちゃんの肌にやさしくふれるスキンシップの方法の一つ。目を見つめ、話しかけながらふれていきます。そうすることで、ママの手の温もりが赤ちゃんに安心感を与えると同時に、赤ちゃんは全身でその愛情を感じ、心身の成長のサポートにもつながります。

さらに、ベビーマッサージはママにとってもうれしい効果があるんです。ふれあうことによって“オキシトシン”という愛情ホルモンが分泌され、ママも癒やされ、ストレスが緩和し、よりリラックスできます。

また、オキシトシンは、母乳分泌も促してくれますし、出産後の子宮の回復も手助けしてくれます」

ベビーマッサージの際のポイント


安全に楽しく行うためにも、ベビーマッサージを行う際のポイントや注意点があります。

●  産後すぐからでもベビーマッサージはできますが、赤ちゃんの肌はデリケートですし、産後直後はママも無理のないよう、短い時間から行いましょう。
*外出して習いに行く場合は、赤ちゃんやママの身体のことも考え、産後1カ月検診などが終了した後が望ましいです。

●  ベビーマッサージを行う部位は、全身でも体の一部分のみでも構いません。できるときに、できるところに、できる体勢で行います。

●  肌着などを着せたままでも裸でも大丈夫。裸で行う場合は、赤ちゃんが寒くないよう十分気をつけてください。オイルなどを塗ると手の滑りも良くなり、赤ちゃんの肌にオイルの栄養も浸透していきます。オイルを使用する場合は、天然成分のものを使ってください。

●  赤ちゃんやママの体調がすぐれない時には行わないでください。泣いたり嫌がったりしたときは無理して続けず、すぐに抱っこするなどして安心させてあげてください。

●  赤ちゃんの肌を傷つけないよう、指輪などのアクセサリーや絆創膏などは外してください。

●  マッサージの時間帯はいつでもOK。1回のマッサージ時間は15分程度までを目安に。

根岸さん:
「よく『何歳までできますか?』と聞かれますが、何歳まででも大丈夫ですよ。“ベビー”を取ると“マッサージ”ですし、大人でも『ふれられたい』という欲求は本能としてもっています。

また、赤ちゃんとレッスンに来られた方で、上にお子さんのいる方には、『上のお子さんにこそ、ベビーマッサージをしてください』とお伝えしています。何歳になっても、ふれられることはとってもうれしいものですから」

では、さっそくやってみましょう。

まずは頭から足先までふれる


根岸さん:
「まずは赤ちゃんを布団やバスタオルなど柔らかい布の上に寝かせ、ママは赤ちゃんの真正面に座ります。ママの骨盤のためには、あぐらをかいて座るといいでしょう。

赤ちゃんの足をママのあぐらをかいている足の上にのせると、赤ちゃんとの距離も近づきます。

そして『マッサージを始めますよ』という意味で、話しかけながら赤ちゃんの頭の上から足先にかけて、両手でやさしくふれていきます」

頭と胸、お腹のマッサージ


根岸さん:

「頭を両手で包み込み、親指の腹を優しくクルクルと動かしながらふれます(写真1)。

次は、赤ちゃんの胸に手を置きます(写真2)。手のぬくもりだけで筋肉もほぐれていきますよ。

それから胸にハート型を描くように両手でふれます(写真3)。そうすることで胸が開くので、呼吸がしやすくなります。

お腹は、ママがやりやすい方の手で、赤ちゃんのおへそを中心に右回りにてのひらで、押しすぎに注意しながらゆっくりなでてあげましょう。便秘解消にもつながります」

足のマッサージ


根岸さん:

「足の付け根から足先へふれていきます。

赤ちゃんはまだ、自分の体の範囲をよく認識できておらず、末梢までしっかりとふれてあげることで、赤ちゃん自身が、自分の体はここまでだと認識することもできます。

足のマッサージの際は、赤ちゃんの自然なM字の状態を保っておくことが大切。まっすぐにしようと無理やり引っ張らないようにしましょう」

背中のマッサージ


根岸さん:
「赤ちゃんをうつ伏せにして背中にふれるときは、必ず呼吸ができる体勢か確認します。

まず両手を腰のあたりに置き、両手で背骨の脇に沿って背中の上部までふれ(写真4)、肩を包み込んで半円を描くようにして腰に戻ってきます(写真5~6)。

この時、赤ちゃんの背骨はまだ完成していないので、背骨には触れず、背骨の脇をふれるようにしてください。背骨にはたくさんの神経も通っていますし、赤ちゃんにとって特に落ち着く部位でもあります。背中が反って抱っこしにくいという赤ちゃんにも有効なマッサージです」

赤ちゃんのやすらかな眠りや夜泣きの改善にも効果が期待できるベビーマッサージ。忙しいママのくつろぎタイムのためにも、ぜひ、習慣にしてみてはいかがでしょうか。

profile

根岸尚美(ねぎしなおみ)さん

根岸尚美(ねぎしなおみ)さん

チャイルドボディインストラクター。福岡市城南区にあるエフコープ地域活動の場「ルリアン」のメンバーの一人として、ベビーマッサージやアロマケアなどの講座を担当。中学生と小学生2人のママ。

◎根岸さんの講座を開催している「ルリアン」について、詳しくはこちら。
https://www.fcoop.or.jp/union_activities/community_work/lelien/