【プレゼント企画あり】大切なことを伝えてくれる『しっぱい なんか こわくない!』
書店「からすのほんや」店主・からすちゃんが選ぶ、子どもと、本と(61)
「あなたは失敗しない人だねぇ。」と20歳年上の大先輩に笑顔で言われたことがあります。「はて?わたしは失敗ばかりしているけれどな?」と疑問に思ったことがあります。今回ご紹介するのは、この「失敗」がテーマのおはなし。
主人公のロージーは、エンジニアになりたい女の子。教室では目立たない静かな女の子ですが、誰もいないところでは、夜な夜な秘密工場でいろいろなメカを作っています。でも、寝る時には、それをベッドの下に隠してしまいます。
ロージーは、幼い頃はもっとオープンで、みんなにすてきなメカを作って披露していたのですが、動物園の飼育係のフレッドおじさんに「ヘビたいじヘルメット」を見せた時を機に、ヘルメットを戸棚にしまい込み、エンジニアへの夢も心の中にしまい込んでしまいました。フレッドおじさんとのあいだに、どんなことがあったのでしょうか? 気になる人は、読んでみてほしいな。
そんなある日、若い頃に飛行場で働いていた大おばさんが、おうちに遊びにやってきます。その大おばさんから、ひとつだけかなえられなかった夢の話を聞いて、ロージーは一晩中眠れないほど考えました。
そして、ロージーは、翌朝に浮かんだひらめきを形にしたのです。ところがまたまた、大失敗。それを見た大おばさんは、膝を叩いて大笑い。ロージーは、「もうメカなんか作らないし、世界一のエンジニアになんかなれない…」と心の中で呟きます。その場を逃げ出そうとした時、おばさんはロージーをぎゅっと抱きしめて、とてもすてきなメッセージをくれました。
子どもの世界でも、大人の世界でも、最近は失敗が許されないことが多いなと感じます。成功しかしない完璧な世界なんて、小さくまとまり過ぎていて、ちっとものびやかじゃないって思うんです。同時に、成長や変化も生まれにくくしているように感じます。世界がもっと失敗に寛容であることは、ちょっと大げさかもしれないけれど、この世界のさらなる発展のために、必要なことなんじゃないかな?
ですから、子どもの失敗の経験はとても大切だと思います。それじゃあ、子どもが失敗したとき、わたしたちはどう受け止めるのか?この作品は、子どもだけでなく、子どもの失敗を受け止める側の私たち大人にも、本当に大切なことを伝えてくれています。ぜひ、親子で触れてほしい作品です。
さて、冒頭のおはなしの続きですが、先輩に「わたし、失敗ばかりしてますよ」と言うと、こう答えが返ってきました。「だって、失敗を成功するまで続ければ、失敗にはならないからね。」だって。なるほど。
今回ご紹介した本
『しっぱい なんか こわくない!』
作:アンドレア・ベイティー
絵:デイヴィッド・ロバーツ
訳:かとう りつこ
絵本塾出版
★★今回ご紹介した本をプレゼントします★★
今回ご紹介した『しっぱい なんか こわくない!』を抽選で3名様にプレゼントします!
ご希望の方は下記応募フォームをクリック! たくさんのご応募お待ちしています。
応募締め切り:2026年3月1日(日)23:59
profile
芳野仁子(よしののりこ)さん
子どもの本とおもちゃの専門店「からすのほんや」店主。雑誌や新聞で絵本や子育てに関するコラムを執筆するほか、子育てに関する講座の講師も務める。
小学生対象のフリースクール「みんなのおうち」、考える力を楽しく養うキッズスクール「ひみつの国語塾」を運営。「一般社団法人 家庭教育研究機構」代表理事。
からすのほんやホームページ
http://karasubook.com/
