しあわせに気づく、力をつける 2話:しあわせを呼び寄せる「願いごと手帖」のススメ
人気の生活コラムニスト・ももせいづみさんに、普段のくらしの中にあるしあわせについて、1話でいろいろなお話を伺いました。では、ももせさんご自身の、日常生活の中でのしあわせの見つけ方は?
取材場所:Cafe Causa
いろいろな願いをノートに綴る、『願いごと手帖』
日常の中で、よりたくさんのしあわせを感じるために、ももせさんが実践していることがあるそうです。
ももせさん:
「『願いごと手帖』をつけています。好きな手帳を用意して、思いつくままに願いごとを書いて、たまに見直して叶えられた願いに丸をつけ、その日付を書き込む。それだけです。友人がやっていたのですが、書いた願いが次々に叶えられると聞いて、不思議だなぁと思いつつ、さっそく始めてみました」
書き始めて間もなく、“書けば叶う”を実感
「願いごと手帖」をつけ始めて間もなく、ももせさんは、書いた願いがどんどん叶えられていくことを実感したと言います。
ももせさん:
「最初に手帖に書いたのは、『居間に置く椅子のいいものが見つかる』『おいしくて安いお米が見つかる』といった他愛のないもの。でも、どちらの願いも書いて数日後に叶ったんです!お隣に越してきた方が、わが家で使っていたものと同じデザインの椅子を譲ってくださったり、仕事仲間からおいしいお米を『試食用に』といただいたり(笑)」
うまくいく、自分は運がいいと思えるようになる
ここで素朴なギモン。書くだけで願いが叶う、果たしてそんなことがあるのでしょうか。
ももせさん:
「願いが叶ったら喜ぶ(しあわせを感じる)習慣がつくと、『こうしたらうまくいく』という経験値が増えていくんです。
子育て中には、子どもへの悩みも多いと思いますが、子どもはどんどんできることが増えていくし、くらしの中には願い事の芽が無数にあるんです。『気がついたらおむつが取れている』『ごはんをもりもり食べて元気』『きれいな色のカーテンが見つかる』。ちょっと当たり前かなと思うようなことでも、改めて書き出すことで幸福感が貯金されていきます。そして『こんなに願いが叶うわたしは運がいい。もっとできる!』と思えるようになるんです。
私も、以前は『電車に乗り遅れてばかり。なんて運が悪いんだろう』と考えていたんですが、今は『ホームに着いた途端に電車が来る。運がいい!』と思ってます。でもね、実際には何も変わっていないと思うの。ただ、乗り遅れたことは忘れて、間に合ったことを喜んでいるだけ。でも『運がいい』と思えると、自信がついていろいろなことができるようになる。この違いはすごく大きいです」
願いを叶えようとする心構えや、そのための行動ができる
ももせさん:
「願いごとを“書く”ことの効果は他にもあります。書くことで本当にやりたいことや欲しいものがはっきり見えてくるんです。例えば、漠然と『バッグが欲しい』と思うのではなく、『A4サイズの書類が入って軽くて色は黒』というように具体的に考えて書いておくと、遭遇した時に『これだ!』とすぐ決断できる。つまりチャンスを逃さないクセがついていきます」
「願いごと手帖」は、身近にあるしあわせの種を拾い上げる作業。願いやそれが叶ったことを書くという行為でしあわせが視覚化され、実感できる。具体的に願いを叶えようとする心構えができて、アクションを起こせるようになる。そんな魔法が秘められているようです。
願いが叶うプロセスには、脳科学的な理由づけも
さらに、書けば叶うということには、科学的な理由もあるそうです。
ももせさん:
「人の脳内メモリーには限界があり、願いが強いとメモリーがフルになって、それ以上考える余裕がなくなる。でも、書くことで一旦、願いを外に出せばメモリーが空き、行動したり何かを始めようと思えるようになったりするのだそうです。
また、願いが叶った喜びや幸福を感じると、人には快楽物質のドーパミンが分泌される。だから願いを書き、叶ったら大いに喜んでおく。そうやって行動と快感を結び付けるほど、人は前向きに、やる気になれるそうですよ」
大きな願いも小さな願いも、叶った喜びは同じ
ももせさん:
「『資格試験に合格する』などの大きな願いも、『おいしいパン屋が見つかる』というささやかな願いも、叶ったときに分泌されるドーパミンの量はあまり変わらないのだとか。だったら、実現に時間がかかる大きな願いだけではなく、日常生活の中で手の届きそうな願いをいっぱい書いて、ドーパミンを毎日ポコポコ出してあげたほうがいいですよね(笑)。私も、そんなふうにして日々、たくさんのしあわせを感じています」
ももせさんの「願いごと手帖」、さっそく実践してみたい!そう思った方も多いのではないでしょうか。3話では、手帖の具体的な書き方をご紹介します。
profile
ももせいづみさん
マに、雑誌やテレビ、ラジオ、講演などあらゆるジャンルで活躍中。生活を楽しむためのさまざまな提案が、男女を問わず多くの支持を集めている。『働くお母さん お助けバイブル』(主婦の友社)『季節のある暮らしを楽しむ本』(だいわ文庫)など著書多数。