教えて!ふくここ先生のCo 育て相談室「勉強のやる気が出ない…どんな声掛けをする?」

教えて!ふくここ先生のCo 育て相談室「勉強のやる気が出ない…どんな声掛けをする?」

大好きな福岡で、幸せな親子が増えることを願い子育て中のママやパパ、子どもたちをサポートしている「NPOふくおか子どものこころサポート研究所」(通称・ふくここ)に所属する公認心理師、臨床心理士、保健師がお届けする子育てコラム。子どもたちの心の変化や子育ての困りごとに役立つヒントをお伝えします!

勉強のやる気が出ない…どんな声掛けをする?

新年度が始まりましたね。わが子が少しギアを上げて勉強してくれたら安心ですが、やるべきことを放置してダラダラ過ごしている姿を見ることもあるのではないでしょうか。今回は「子どものやる気が出ない時の声掛け」についてお話しします。

達成しやすい目標を一緒に決めよう

さて、お子さんが宿題をせずにゲームをしていたら、どのように声を掛けますか?

「いつまでゲームしてるの! いいかげんに勉強しなさい!」
「勉強しないとちゃんとした人になれないよ」
「お隣の〇〇くんはいつも100点ですごいよね~」

つい言いたくなる言葉ですが、一方的に指示されたり人と比較されたりすると、なかなかやる気は出ないもの。大人だってそうですよね。自尊心が傷つくこともあるでしょう。では、どうすればよいと思いますか? それは「褒める」です。

“えっ、この状況のどこを褒めたらいいの?”と戸惑う方もいるかもしれません。ここでは「褒める」の意味を「否定しない声掛け」や「マイナス面には目をつぶること」と考えてください。

まずは、達成しやすい目標や時間を、お子さんと一緒に決めましょう。子どものモチベーションも上がりますし、親も褒めやすくなります。体調や前後の予定などを考慮し、何時から、どれくらい、何が、できそうかを話し合ってみてください。終わった後のご褒美について考えるのもいいですね。

●褒めポイントは取り組み始め

目標やスケジュールがはっきりすると、人は行動を開始しやすくなります。行動を開始したら、「よく始めたね!」と声掛けしてあげましょう。

ポイントは、「結果」ではなく「過程」を褒めることです。“最後までやり終えるのを見届けてから褒めるべきでは?”と思われるかもしれませんが、それではハードルが高くなってしまいます。やる気の出なかった子が少しでも意欲を見せてくれたのですから、取り組み始めたことが「褒めポイント」です。

また、勉強開始まで「あと10分で時間だよ」など、予定時間が近づいていることを伝えるべきか否かは、子どもの性格によります。時間を伝えることで、スムーズに次の行動に移せるのか、反発や焦りを引き起こすのかは、親の見極めが必要です。

●目標どおりにいかない時は…

予定時間に勉強をスタートできなくても、スケジュールを立てられたというファーストステップに注目し、褒めてあげてください。また、途中で投げ出したように見えても責めるのではなく、「ちょっと休憩する?」と声をかけて親子で気分転換を。

目標どおりにいかない時は、どんなスケジュールだったら無理がないか、一緒に再考しましょう。少しハードルを下げることでやる気につながるかもしれませんよ。

今回担当したふくここ先生は…
後藤理恵(臨床心理士、公認心理師)

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ふくおか子どものこころサポート研究所

ふくおか子どものこころサポート研究所

大好きな福岡で、幸せな親子が増えることを願いサポートしている専門家(公認心理師、臨床心理士、社会福祉士、保健師、絵本専門士、ヨガインストラクター)チームです。

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