行正り香さんインタビュー 「わが子を強く、たくましく育てるために」第2話

行正り香さんインタビュー 「わが子を強く、たくましく育てるために」第2話

気取りのない人柄が多くの女性の支持を集める料理研究家・行正り香さん。第1話では、二人の娘さんへの行正さん流の子育てについて伺いました。
行正さんは英語も堪能で、現在は英会話アプリの開発など、英語教育に関するさまざまなことに取り組んでいます。
「これからの子どもたちが社会を生き抜いていくための大きな力になるから、ぜひ身につけさせてあげてほしい」と行正さんが語る、英語。第2話では、英語の必要性と身につけ方のコツについてお聞きします。

子どもにぜひ身につけてほしい、英語力


「子どもが将来自立して強く生きるためのスキル」として、特に大切なのが、「英語」だそうです。

行正さん:
「日本はものすごいスピードでグローバル化が進んでいますし、インターネットによって簡単に世界中がつながるようになりました。そんな中、必ず必要になってくるのが英語。

日本はこれからどんどん人口が減り、国自体が縮小すると言われています。そうなると、将来を担う子どもたちは国内ではなく、世界を相手に英語で仕事をしなければならなくなる、というわけです。それに、何か特技一つでは仕事にならないかもしれませんが、そこに英語を掛け算できれば仕事のフィールドは必ず広がります」

英語は生き抜いていくための大きな力に


今、英語は小学校でも履修科目になっていますし、最近は福岡も、街を歩くと海外の人がすごく多いと感じます。

行正さん:
「私が娘たちに唯一、嫌がられながらもやらせていたのが英語です。自分がアメリカで習得した英語を、娘たちにも必死で教えました。家の中を追いかけてでも『Hello!』とか『How are you?』とか話しかけては、そのたびに『うるさい!』なんて言われながらも(笑)。でも、おかげで彼女たちは、今では普通に英会話ができるようになりました。

今回、私が英語の本『ビリからはじめる英語術』を出版したのは、大人ももちろんですが、子どもたちにぜひ英語の力をつけてほしいと思うからです」

膨大な英語の学習量についていけない子どもたち


行正さん:

「日本の英語教育の欠点は、中学1年生で習う英語の学習内容が多すぎる点にもあります。教えることがあまりに多いから、先生は一つの文法を教えたら、子どもたちがそれをしっかり発音したり喋ったりする間もなく、すぐに次のステップへ進まなければいけない。そういうスピードの早さに子どもがついていけないのは当然で、英語に関しては中学1年生の時点ですでに70%の子が落ちこぼれていると言われているんです」

英語は頭だけでなく、耳と口を使って覚える


そのような日本の学習環境を踏まえた上で、英語が喋れるようになるために最も大切なのは、正しい発音を覚えることなのですね。

行正さん:
「英語は料理と同じで、英語も何度も繰り返して練習するしかありません。ネイティブの発音を徹底的に聞いて声を出し、考えるだけでなく、耳と口で覚えるんです。子どもの頃、九九を何度も口に出して覚えたのと同じ。文法も学術として頭で学ぶためのものではなく、繰り返して声に出し、耳と口で文章の流れを練習しなければ身に付かないんです」

幼児への英語学習は、単語を耳に慣らす程度で十分


子どもに語学力をつけさせるためには、できるだけ早い時期に英会話スクールに通わせるなど、英語に親しむ環境を作ることが大事なのでしょうか。

行正さん:
「5歳ぐらいまでの子どもは、英語を習わせてもしばらく経つと忘れてしまいます。なぜなら、幼児にはまだ理屈が理解できないから。英語の理屈がわかるようになるのは小学4年生ぐらいからですから、本格的に学ぶのはそれからで大丈夫。

それまではできるだけ英語を聞かせて耳に慣れさせること。お母さんが簡単な単語を教えたり、英語のアニメを観せたり絵本を読ませたりと、目から英語の情報をゲットさせることも大事です」

英語が理解できると、得られる情報も増える


行正さん:

「英語が理解できると、海外からの情報を見聞きできるようになり、そうなると知識として得られる情報量は、英語ができない人にくらべて各段に増えます。英語力は、料理を作ったり掃除ができたりするのと同じぐらい大切な能力だと思うので、今後は英語という『生き抜くスキル』を、ぜひ親から子どもに与えてあげてほしいですね」

第3話では、行正さんから料理や日々の過ごし方についてのお話を伺います。

profile

行正り香(ゆきまさりか)さん

行正り香(ゆきまさりか)さん

料理研究家。福岡市出身。高校時代にアメリカに留学後、帰国して大手広告代理店に勤務しながら料理本を出版。退職後は料理研究家となり、テレビや雑誌などで幅広く活躍中。現在は英会話学習にも力を入れ、英会話教室の運営の他、英会話アプリ「カラオケEnglish」なども手がける。『19時から作るごはん』『行正り香のインテリア』(ともに講談社)など、著書は50冊以上。また、献立づくりの悩みを解決するアプリ「今夜の献立、どうしよう?」でレシピ提案やコラムや料理のコツを動画で配信している。
・Instagram
 https://www.instagram.com/rikayukimasa/
・カラオケEnglish
 https://karaokeenglish.com
・今夜の献立、どうしよう?
 http://fooddays.jp/?page_id=2012