絵本作家「ザ・キャビンカンパニー」の、子育ては波乱バンザイ! 第1話

絵本作家「ザ・キャビンカンパニー」の、子育ては波乱バンザイ! 第1話

「ザ・キャビンカンパニー」は、廃校となった小学校をアトリエに、大分県由布市在住の阿部健太朗(あべけんたろう)さん・吉岡紗希(よしおかさき)さん夫妻で活動している人気の絵本作家ユニットです。アーティスティックな絵と独創的なストーリーで、その作品が大きな注目を集めるお二人は今、2歳になる長女・芽生(めい)ちゃんの子育て真っ最中。創作活動を行いながらの初めての出産と育児は、夫婦にとってまさに波乱に富んだ日々なのだとか。「子どもを育てるって、最高に楽しくて最高に大変です(笑)!」と語る阿部さんと吉岡さんがこれまで経験した子育てのあれこれについて、2話にわたってご紹介します。

予想外の妊娠に戸惑いも

デビュー作「だいおういかのいかたろう」(写真下・本棚上段右)と、
話題となった「しんごうきピコリ」(写真下・本棚上段左)など、お二人の絵本がずらり。

吉岡紗希さんの妊娠が発覚したのは、お二人が絵本作家「ザ・キャビンカンパニー」としてようやく軌道に乗り始めた頃でした。

阿部さん:
「二人で絵本作家の道をめざし始めてからの3年間、なかなか芽が出なかった僕らですが、2014年にとある出版社の方の目に留めていただいてようやくデビューできました。その作品が賞をとったことで、少しずつ仕事のオファーが来るようになり、やっと軌道に乗り始めたかなと思っていたところで、妻の妊娠が発覚したんです。すでに結婚はしていましたが、予想外のことだったのでけっこう戸惑いもありましたね」

“つわり地獄”で仕事もままならず


とはいえ新しい命の誕生は、絵本作家としての、そして夫婦としての新しい世界の始まりです。

吉岡さん:
「それはとてつもない試練のスタートでした(笑)。まずやってきたのが“つわり地獄”。強烈な二日酔いに絶えず襲われている感じで、体が壊れてしまうのではないかと思うくらい、凄まじい嘔吐が続きました。

でも、どれだけつわりがひどくても、私たちの仕事には締め切りがあるのでじっと寝ているわけにもいきません。周りの人からはよく『安定期に入ったら落ち着くよ』と声をかけてもらいましたが、結局、つわりは8カ月ぐらいまで治まらず…。当時は1日掛けてようやくキャラクターの顔が描けるぐらいのスピードでしか仕事がこなせなくて、代わりに夫が4日間連続で徹夜をしたこともあります(笑)」

子育てと創作を両立できないかもという焦りが


阿部さん:
「当時は、そんな妻の様子を見ていて、僕も複雑な思いにとらわれることが少なくありませんでした。
子どもが生まれるのはすごくうれしい。けれど一方で、ようやくつかみかけた絵本作家の夢が、育児に時間を取られて失われてしまうのではないかという不安です。

僕らは大学の同級生でしたが、就職活動もせずに、常に自分たちの思うように作品づくりだけをしていました。だから、子どもが生まれることによって、これまでの自由な創作ができなくなるのではという焦りや苛立ちの感情が時にふつふつとわいて来たんです」

熊本地震の最中の出産


それでもなんとか二人で協力し合いながらつわりに耐えて仕事を続け、ようやく予定日が近づいた2016年の春。出産間近の吉岡さんを、今度は熊本地震が襲います。

吉岡さん:
「出産の準備をそろそろ始めようとしていた矢先でした。4月14日と16日に相次いで起こった熊本地震の相当な揺れで、ものすごい恐怖を感じてしまったことが、きっとお腹の赤ちゃんにも影響したんでしょう。想定外の早産となり、余震が続く中で4月20日に出産しました。お産で苦しんでいる時、病院のベッドが時々ぐらぐら揺れていたのも覚えています。
『芽生(めい)』という娘の名前は、予定日が5月だったことから二人で早々に決めた名前です」

ただただ感激だった、娘との初対面


想像を超えたつわりの苦しみを乗り越えて産まれた娘を初めて見た時は、さぞかし安堵感でいっぱいだったのではないでしょうか。

吉岡さん:
「『これでつわりから解放される』と自分にずっと言い聞かせながら(笑)激しい陣痛に耐え、そして初めて娘と対面。その時の感情は今でも忘れられません。この子は私のお腹の中でここまで育ってくれたんだという不思議な気持ちと、母親になるという大きな喜びで、もう胸がいっぱい!
娘の顔を見た途端、つわりであれだけ苦しめられたことも一瞬で吹き飛んでしまって、ただただ感激しかありませんでした」

作品づくりへの期待と、父親になる責任と


阿部さん:
「それまで、僕らは子どもの世界を空想の中で楽しみながら絵本をつくってきたけれど、これからはいつもそばにこの子がいる。娘を育てながら、果たして自分たちはどんな作品を作れるだろうというワクワク感と、一方で、父親としての責任感がずっしり湧いてきたという感じです」

無事に娘が誕生し、「ザ・キャビンカンパニー」は晴れて3人家族となりましたが、初めての子育てはなかなか一筋縄ではいかなかったようです。続きは第2話でご紹介します。


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ザ・キャビンカンパニー

ザ・キャビンカンパニー

阿部健太朗(あべけんたろう)さん、吉岡紗希(よしおかさき)さんによる絵本作家ユニット。大分県由布市にある廃校をアトリエに、絵本をはじめ立体造形、アニメーションなどのさまざまな技法を用いで創作活動を続けている。アート性の高い絵画やストーリーで表現された独自の世界観が高い評価を受け、これまでに「TURNER AWARD2010未来賞」「第7回日本童画大賞準優秀賞」などを受賞。主な著書に『だいおういかのいかたろう』(鈴木出版/第20回日本絵本賞読者賞受賞)、『しんごうきピコリ』(あかね書房/第23回日本絵本賞読者賞受賞)など多数。最新作『クリスマス★げきじょう』(小学館)も好評発売中。

<ザ・キャビンカンパニーホームページ>
http://cabin8cabin.web.fc2.com

みんなの感想

羽田野哲也(てっちゃん)

ザ・キャビンカンパニーの阿部健太朗さんと吉岡紗希さんの記事を読んで、深く感動し、共感しました。お二人の創作活動と子育ての両立に関する経験は、とても響くものがあります。特に、私自身も一時期絵本作家を目指したことがあるので、創作の道の困難と喜びを理解することができます。

記事によると、お二人は絵本作家としてのキャリアを築き始めたばかりの時に、予想外の妊娠が発覚し、その後の「つわり地獄」や熊本地震といった困難に直面しながらも、創作活動を続けられたことは、非常に感銘を受けました。子どもの誕生が、新しい創造の源となり、同時に新たな責任感を感じさせることは、私にとっても共感できるポイントです。

さらに、私はこのアトリエの地元に住んでいるということもあって、お二人の活動には特に親近感を覚えます。私は職業柄、美術品梱包輸送技能士の検定資格を取得し、実際にザ・キャビンカンパニーさんの作品の輸送を5月と6月に予定されています、お二人の創作物に対してもより一層のシンパシーを感じています。

阿部さんと吉岡さんが、子どもとの生活を楽しむ一方で、時には子育てが創作活動に与える影響に苛立ちや焦りを感じることもあるとのことですが、そのような複雑な感情も含めて、彼らの創作活動がこれからも多くの人々にインスピレーションを与え続けることを心から願っています。お二人の絵本大好きです!(^^)!

管理者

コメントをありがとうございます😊こちらの記事を通して、絵本作家「ザ・キャビンカンパニー」さんに共感していただきしていただき大変うれしいです✨これからも「CHEER!days」をぜひお楽しみください💛

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