料理を作るのが大変だと感じている人に。『一汁一菜でよいという提案』

料理を作るのが大変だと感じている人に。『一汁一菜でよいという提案』

「ご飯とみそ汁、そして漬物。家で食べる食事は一汁一菜でいい」。

著名な料理研究家である土井善晴(どいよしはる)さんの、タイトル通りの「一汁一菜でよい」という提案。

毎日毎日、献立に頭を悩ませたり、「いろいろおかずを作らなければ」とたくさんの時間を掛けて食事の支度をしたりしている方にとって、この言葉はとても勇気づけられるものではないでしょうか。
同時に、「それでもいいんだ」と安堵する人も少なくないと思います。

この本に書かれている「一汁一菜」とは、節約や時短、手抜きといったことを目的としたものではありません。

日本の四季、日本人が持つ情緒、知恵と創意、料理を作る人の愛情といただく側の感謝。
「一汁一菜」という生き方の中には(土井さんは一汁一菜を「生き方」と表現します)、これらたくさんのことが込められていると、やさしく、ていねいに読者に伝えているのです。

普段の食事に凝ったものは必要ない。
献立の基本を一汁一菜として、時間や経済的に、そして気持ちにゆとりがある時には、食べたいものや作りたい料理を足せばいい。

土井さんのそんなメッセージは、料理が苦手だったり、忙しくてゆっくり食事の支度をする時間がなかったりする多くの人の気持ちに、きっと深く寄り添ってくれるはずです。

今回ご紹介した本

『一汁一菜でよいという提案』
著者:土井善晴
出版社:グラフィック社

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