雑菌がいっぱい!台ふきんをきれいにするには?
6月は高温で多湿になりやすい季節。菌が繁殖するには絶好の環境となるので、食中毒予防のためにも、台所や食卓の衛生状態には一層の注意が必要です。そこで、今回は菌が繁殖しやすい「台ふきん」の衛生管理について、調査してみました。
今回の調査方法
調査を行ったのは、エフコープ商品検査センター「りんご館」。以下のような条件で調査しました。
●台ふきんは全て新品を使用。
●全ての台ふきんの条件を統一するため、同じ菌数の液体で台ふきんを故意に汚して使用後の状態を再現。
●りんご館で微生物検査を行い、菌数を計測。
●今回紹介する菌数は台ふきん1g当たりの数。
調査の結果は…
台ふきんは汚した直後、1g当たり830万個の菌がある状態にしました。その後、放置すると菌は増殖を続け、6時間後には10倍以上の数になり、24時間後には2億個に増加。これはかなり多い数値ですが、見た目やにおいにあまり変化はありませんでした。
それぞれの処置を検証
汚した台ふきんを、水洗い、熱湯、洗濯、漂白それぞれの処置をして、乾燥させたらどうなるか調査しました。その結果は上記の通りです。
どれも一定の効果はありましたが、水洗いをしただけでは菌が多く残ってしまいました。洗濯では菌がかなり減少。熱湯と漂白では、どちらも完全に殺菌することができました。
今回、汚れた台ふきんが最もきれいになったのは、以下の順です。
1. 熱湯と漂白(どちらもゼロ)
2. 洗濯
3. 水洗い
今回の調査で次のことが言えるとわかりました。
殺菌しないとなくならない
今回の実験では、水洗いしただけのものは、菌が多く残ってしまいました。菌は生き物なので、完全になくすには熱湯をかけたり漂白剤に浸けたりして、しっかり殺菌しなければなりません。
生乾きはやっぱりダメ
汚れた台ふきんを水洗いした後、乾きにくい場所で干して生乾きの状態にした場合も調査。その結果、多くの菌が残った水洗いの台ふきんは、乾燥させたものより約10倍近くまで菌が増殖しました。
乾燥は殺菌の強い味方
菌は水分がなければ増殖することができません。その水分を断ち切る意味でも、乾燥は殺菌の強い味方になってくれます。使用後は早く乾かすことが大切です。
今回は、台ふきんに故意に菌を付けて計測しましたが、実際は食べカスなどをきれいに落としてから、殺菌することが大切です。
菌は倍増を繰り返して増殖するので、いつの間にか菌が大量発生していることもあります。台ふきんは直接手で触ったり食卓を拭いたりすることが多いので、こまめな洗濯や乾燥を心掛け、定期的にしっかり殺菌をするなどして食中毒の原因とならないように気を付けましょう。
商品検査センターに見学に来ませんか?
商品検査センターでは施設の見学を受け入れています。エフコープ組合員でない方も、どなたでも見学できます。簡易実験も体験することができますので、「りんご館」に来て、楽しく学びませんか?
※見学には予約が必要です。簡易実験についても、予約の際にお申し出ください。
施設情報
エフコープ商品検査センター「りんご館」
エフコープ商品検査センター「りんご館」では、生産者や取引先、エフコープで確認した商品基準や商品仕様書などの約束ごとが守られているか検査を通じて検証しています。安心して利用できる商品をお届けするために、さまざまな角度から検査を行っています。
◎商品検査センターについて、詳しくはこちらから
https://www.fcoop.or.jp/product/product_inspection/