野菜の栄養を残して保存するには?
買ったものの、すぐには使わない…。そんなとき、野菜はどのように保存したらいいのでしょうか? 保存方法によっては、野菜の品質劣化や、栄養価が落ちてしまうこともあるようです。そこで、商品検査センター「りんご館」で、野菜の保存実験をしてみました。
今回はビタミンCについて調査してみました
ビタミンCは調理や保存の影響で減少しやすい栄養素。これほど変動する栄養素はあまりなく、他の栄養素の損失率の目安になっています。
【調査内容】
生の野菜を用意し、加熱(ゆでる・レンジ)します。
◎実験①…生の状態のものと比較し、加熱方法別にどの程度ビタミンCが残っているのかを確認しました。
◎実験②…生のままのものと加熱したものを、冷蔵、冷凍の状態で保存し、5日後のビタミンCの含有量を調べました。
【調査した野菜】
◎加熱方法…・ゆでる(5分間)・レンジ加熱(2分間)
◎保存状態…・冷蔵(2℃)・冷凍(マイナス18℃)
【調査手順】
ブロッコリーは小房に、ピーマンはカット、小松菜は根元を切って、それぞれ加熱、もしくは生のまま保存します。
各保存状態のものをそれぞれ粉砕し、ろ過します。
専用のキットを使ってビタミンCの数値を計測します。
それぞれ以下のような結果となりました
※実験1、実験2の値は、100gあたりに含まれるビタミンCの量。
ゆでるとビタミンCは減少。レンジ加熱では、水分が蒸発し、ビタミンCが濃縮したことで増加しました。
生のまま冷蔵するとビタミンCの損失は少ないものの、見た目は黄色く変色しました。生のまま冷凍しても問題ありませんが、長期保存なら、小房に分けてレンジで加熱し、冷凍するのがおすすめです。
ゆでると多くのビタミンCが流出。レンジ加熱では、水分が蒸発し、ビタミンCが濃縮したことで増加しました。
生のまま冷蔵した場合、ビタミンCの損失は少ないものの、葉先がしわしわの状態に。保存するならレンジ加熱後の冷凍がおすすめです。加熱後に出る水分をよく拭き取ってから冷凍してください。
ピーマンはビタミンCが流出しにくく、ゆでてもほぼ変わらず。レンジ加熱では、水分が蒸発し、ビタミンCが濃縮したことで増加しました。
生のまま冷蔵した場合の値が高くなりました。これは冷蔵庫内で乾燥が進んだためですが、見た目の変化はごくわずか。5日程度ならば、そのまま冷蔵保存して良さそうです。
商品検査センターに見学に来ませんか?
商品検査センターでは施設の見学を受け入れています。エフコープ組合員でない方も、どなたでも見学できます。簡易実験も体験することができますので、「りんご館」に来て、楽しく学びませんか?
※見学には予約が必要です。簡易実験についても、予約の際にお申し出ください。
施設情報
エフコープ商品検査センター「りんご館」
エフコープ商品検査センター「りんご館」では、生産者や取引先、エフコープで確認した商品基準や商品仕様書などの約束ごとが守られているか検査を通じて検証しています。安心して利用できる商品をお届けするために、さまざまな角度から検査を行っています。
◎商品検査センターについて、詳しくはこちらから
https://www.fcoop.or.jp/product/product_inspection/