今すぐ暮らしに生かす!「色」のチカラ
色には、私たちの心身に作用するチカラがあります。身の回りの色をもっと意識して、積極的に生かしてみませんか? エフコープくらしの学習サポーター※の市原玖美(いちはらくみ)さんに、色が持つチカラについてお話を聞きました。
※組合員理事などの推薦を受けた、専門分野に詳しい組合員のこと。
知れば知るほど面白い!色のチカラを味方につけて
市原さん:
「服の色によって、不思議と肌がきれいに見えたり、誰かに褒められたりした経験はありませんか。それが、色のチカラです。
似合う色を身につけると、イキイキと血色の良い顔色に見えるだけでなく、肌の透明感まで増して見えます。また、インテリアなどに取り入れると、『気分を穏やかにする』『集中力を上げる』など、心理的にも作用します。
人は、五感の中でも視覚から、約9割の情報を受け取っているそうです。つまり、色からも多くの情報を受け取っているということ。そのチカラを味方につけないのは、もったいないと思いませんか。
色は、身の回りにあふれているものだからこそ、意識すれば、すぐに活用できます。今回は、家庭で取り入れやすい色の活用法をご紹介します。ぜひ実践して、色のチカラを実感してください」
色で、住まいを心地よく
部屋の色を変えることによって、気分が変わったり、さらには体感温度まで変化したり…。空間の色は、そこで過ごす人の心身に作用することが、さまざまな研究で証明されています。家族の心地よい住まいづくりに、色のチカラを生かしましょう。
●冬のバスルームを暖かに
上は暖色、下は寒色のバスルーム。
空間の色が変わるだけで、体感温度も変化します。
冬の入浴時、暖かい部屋から冷えきったバスルームへの急激な温度差は、体に大きな負担を与えます。その温度差を心理的に和らげてくれるのが、赤やオレンジなどの暖色です。暖色の空間では、青などの寒色の空間に比べて体感温度が3度程度高くなるというデータがあります。洗面器など小物を暖色に変えるだけでも、暖かみを感じられるでしょう。トイレも同様に、暖色がおすすめです。小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、ぜひ取り入れてみてください。
●リビングは、やさしい暖色でリラックス
家族がくつろぐリビングには、薄いオレンジやピンクなど、暖かみのある色がおすすめです。特にピンクには、気持ちを穏やかにする効果があります。高齢者施設にサーモンピンクの壁が多く見られるのはそのためです。また、ピンクは女性ホルモンの分泌を促すといわれ、肌をつややかにする効果も期待できます。
●寝室・勉強部屋には、寒色の鎮静効果を活用
寝室に寒色を取り入れると、気分を落ち着かせて眠ることができます。また、寒色には集中力を高める効果もあるので、勉強部屋にもおすすめです。しかし、部屋全体を寒色系にすると寒々しい印象になってしまいます。枕やペン立てなど、視界に入る小物だけでも効果は十分です。ぜひ試してみてください。
色で子どもの安全を守る
雨の日、特に薄暗くなると、子どもが道を歩いていても車の運転手からは気付かれにくく、事故につながる恐れがあります。そこで、小学生は傘や帽子、ランドセルのカバーなどを黄色にすることをおすすめします。黄色は、前に出て見える「進出色」。また薄暗いところでも、赤色より人の目で見分けやすいため、視界が悪い日の事故を防ぎます。
色のチカラは、こんなところにも。食品売場で活用される色
食品売場にも色のチカラが生かされています。例えば、みかんは赤色のネットに包まれることで色が同化して、より鮮やかなオレンジ色に見えます。また、りんごの箱に入っている緩衝材が緑色であることが多いのは、りんごの赤色を際立たせるためです。赤と緑は互いの色を強め合う組み合わせ。その特性を生かして、りんごの赤色がより映えるようにしています。
今回ご紹介した色の活用法は、ほんの一例。「色」を味方につけると、人生はさらに豊かになります。その感性を育てるには、自然の美しさを感じることです。四季折々に咲く花、青空や夕陽…。たくさんの美しい色に出会って、色のチカラを楽しんでください。
◎エフコープでは、組合員1人を含む3人以上でくらしの学習サポーターによる学習会を開催できます。詳しくはこちらをご覧ください。
profile
市原玖美(いちはらくみ)さん
日本パーソナルカラー協会認定講師。福岡ファッションラボ「True Color」主宰。エフコープくらしの学習サポーター。二人の息子をもつ母。個人向けカラー教室などの講師を務め、百貨店でのトークショーなどにも出演。色の魅力を伝えている。
・福岡ファッションラボ「True Color」
https://ameblo.jp/true-color-kumi