【大牟田市】カルタのすべてがわかる! 無料がうれしい、「カルタックスおおむた」
大牟田市中心部に位置する『カルタックスおおむた』は、「大牟田市立 三池カルタ・歴史資料館」と「大牟田市立図書館」からなる入場無料の複合公共施設。館内ではカルタの歴史や種類について楽しく学べるほか、郷土の貴重な文化財を間近で見ることができます。また図書館では、定期的に「おはなし会」が行われ、赤ちゃんから小学生にまで大人気。今回は、そんなカルタックスおおむたの魅力をごくごく一部ですがご紹介します。
知っているようで知らない、カルタの秘密に迫る
カルタックスおおむた内「大牟田市立三池カルタ・歴史資料館」は、古くからカルタの一大産地として知られていた大牟田市に、1991年オープンしました。天井が高く、明るくモダンなミュージアムで、館内にはカルタと郷土の歴史に関する展示が並んでいます。入場無料ですが、入館の際には受付で入館証をもらう必要があります。
入場するとすぐ、展示室の片隅でお茶をしているグループを発見!しかも飲食禁止と掲示されている隣で?… と思いきや、よく見ると、帆船の中でカードゲームに興じる船員たちの様子を人形で再現した展示でした!
とても精巧にできているので遠目からは本当に人に見えます。取材時も、お昼ごはん中のスタッフかと思いあいさつしそうになりました(笑)。
「カルタ」という言葉はもともと、四角い紙や手紙を意味するポルトガル語で、英語で言う「カード」のことなのだそうです。
大航海時代、ポルトガルやスペインの船乗りたちは、長い船旅の暇つぶしとしてカードを携行するのが常だったのだとか。それがやがて、世界中に広がり各地で進化していきました。日本に伝来したのは戦国時代(安土桃山時代)だったそうです。
現存する国産最古のカルタ「天正カルタ」は、三池で作られたものだと推定されています。館内には、その天正カルタ(復元)をはじめとする貴重なカルタが多数展示されています。
ポルトガルから伝来したこうしたカルタと、日本古来の「貝覆い」「貝合わせ」といった文化がやがて融合し、小倉百人一首などの歌カルタが生まれたのが江戸時代初期。ついで江戸時代中期には、現在の「いろはカルタ」も登場しました。一連の展示を順路通りに見学してゆくと、そうしたカルタの変遷の歴史を勉強することができます。
季節ごとに、企画展も行われています。9月23日(月・祝)までは「平和展2019 カルタでみる戦争とスポーツ」を開催中。秋からは、萩尾望都氏や鴨川つばめ氏といった郷土の漫画家にまつわる展示が行われる予定だそうです。
展示は低学年までの子どもには少し難しい内容ですが、子ども向けにはクイズラリーも実施。クイズの内容は季節ごとに変わるので、何度来ても楽しめますよ。
郷土の出土品や歴史資料の数々も、見応えアリ!
館内には、カルタに関するものだけでなく、古代から近代に至るまでの三池・大牟田の歴史にまつわる資料も多数展示されています。本物の貝塚を切り取ってきたものや遺跡の石棺、大人と赤ちゃんそれぞれのサイズのかめ棺、縄文土器など、レプリカではなく実物がそのまま展示されていることが大きな特徴です。
古墳の内部に描かれていた壁画の展示も。これもレプリカではなく本物です。
勾玉や耳管など、古墳時代の装飾品。こちらも実際の出土品です。
時代が下って、豊臣秀吉の朱印が押された文書も。しつこいようですがこれも本物です! 以前はこうした文化財を見るためには入館料を払う必要があったそうですが、2001年以降に歴史資料館がカルタックスに統合されて以降は無料で公開されています。見学する側にとっては、なんともありがたい!
郷土の歴史好きの方にはおなじみ(らしい)、平安時代の三池の刀工・三池典太元真(初代)とその一派である三池鍛治に関するパネルもあります。
三池典太は徳川家康が愛した刀を作ったとも言われる伝説的な刀工。国宝にも指定されている彼の名刀「大典太(だいてんた)」は、今ちょうど福岡市博物館「特別展侍」で展示されていますよ【11月4日(月・祝)まで】。
ちびっ子がカルタを楽しめるゾーンも
置いてあるカルタで自由に遊ぶことができる畳敷きの「プレイングルーム」は、親子連れに大人気です。
木でできたカルタや人気キャラクターのカルタなど、色々と用意されている中からカルタを選ぶのも楽しい時間。
壁には、小学生が作った「大牟田方言カルタ」というものが掛けられていました。スタッフの方の解説によると「今では地元のお年寄りでも普段は使わないような、古い言葉も混ざっています」とのことでしたが、筑後地方の出身者にとっては懐かしい言葉ばかりです。ところどころ、方言の解説まで方言になっているのが、ちょっとほほえましい。
ミュージアムショップはささやかな規模ですが、おしゃれなオリジナルグッズもあり目を引きます。
復元天正トランプ(700円)などが人気だそうです。
図書館での「おはなし会」もチェックしたい
「大牟田市立三池カルタ・歴史資料館」と並んでいる「大牟田市図書館」では、大牟田市民以外も気軽に蔵書の閲覧ができます。
児童書のコーナーでは、定期的に子ども向けの「おはなし会」も実施。「赤ちゃんのためのおはなし会」、「乳幼児のためのおはなし会」、「幼児・小学生のためのおはなし会」と対象年齢が分かれているため、発達段階に合った内容の会が楽しめます。
おはなし会は図書館の一画に設けられた「おはなしの部屋」や3階の集会室で催されています。
「カルタックスおおむた」は、親子の知的好奇心をビシバシと刺激する文化施設でした。この内容で無料だなんて、活用しなきゃもったいない!近くを訪れた際にはぜひ立ち寄って、日本の伝統文化に触れてみてはいかがでしょう。
10月13日(日)には、申し込めば誰でも参加できる「九州新人かるた競技大会」も催されるので、競技かるたに興味がある方は参加を検討してみてもいいかもしれません。
⼦どもとお出かけ DATA
◎⼦どもトイレ/あり(図書館内児童書コーナー付近)
◎おむつ替えシート/あり
◎授乳室/なし(授乳場所についてはスタッフが応相談)
◎ベビーカー・車イスの貸し出し/あり(無料)
◎売店/小規模のミュージアムショップあり
◎飲⾷店/なし
カルタックスおおむた
(大牟田市立三池カルタ・歴史資料館、大牟田市図書館)
福岡県大牟田市宝坂町2-2-3
TEL:0944-53-8780
開館時間/10:00〜17:00
定休日/⽉曜日・毎月最終木曜日(祝⽇の場合は翌⽇)、年末年始(12月29日〜1月3日)
※臨時休館あり(ホームページでご確認ください)
料金/⼊場料無料(受付で入館カードをお受け取りください)
アクセス/JR・西鉄大牟田駅より徒歩約15分。駐車場約30台(図書館と併用)
http://karuta-rekishi.com
*この情報は2019年8月時点のものです。
生協オリジナル食品衛生学習用「かるた」
生協では、食べものの購入から調理、食べる(廃棄)、保管までを遊びながら学べる食品衛生学習用カルタを作成。ダウンロードもできますのでぜひご活用ください。