【八女市星野村】九州最大の天体望遠鏡も!「星の文化館」で星と宇宙に思いをはせる
ニッキー親⼦の福岡あちこち探訪記⑥
八女市星野村にある「星の文化館」は、昼も夜も天体観測ができる公開天文台。プラネタリウムや「はやぶさ2」の模型、宇宙に関する展示などもあり、大人から子どもまで満喫できます! 星に親しんだあとは近くの「茶の文化館」のおいしい八女茶でホッとひと息つくこともできますよ。
まるで巨大ロボ!? 口径100cmのド迫力天体望遠鏡
それぞれ2つの天体望遠鏡を納めるツインドームが目印
宇宙について楽しみながら学べる、八女市星野村の公開天文台「星の文化館」。ここでは2基の大型天体望遠鏡を駆使して、昼夜を問わず天体観測に参加することができます。平日の昼間から望遠鏡が公開されている施設は、全国でも珍しいのだとか。
「星の文化館」があるのは、標高約400メートルの高台の頂上部という、天体観測にはうってつけの場所。街中よりも空がグッと近くにあるように感じられます。
口径65cmのニュートン式反射望遠鏡を擁する「第一ドーム」
昼間の天体観測が行われているのは、第一ドーム。時期に応じて、太陽の黒点や昼間でも見える一等星などを観察することができます。
第一ドームの口径65cm望遠鏡は1991年の開館当時から設置されているもので、当時は九州最大を誇っていました。
天体観測には昼・夜ともに入館料だけで参加することができますが、天候によっては実施できない場合もあります。晴れていても雲がある方向によっては観測対象の天体がまったく見られないこともしばしば。実はこの日も実際に天体を観測することはできませんでした…。
どうしても天体観察がしてみたいという方は、その日の状況を問い合わせた上で出掛ける方が確実です(ちなみに、3年ほど前に家族で伺った時には、夜の天体観測の際にこの望遠鏡で美しい土星の輪をしっかりと観測することができました!)。
第二ドームの巨大望遠鏡に大興奮!
開閉式のドームとこの望遠鏡だけでも、十分見ごたえがありました
夜に訪れると、2017年のリニューアルの際に導入された九州最大・口径100cmの天体望遠鏡を備える第二ドームでの天体観測に参加できます。夜の天体観測でも、その時期に見えるメジャーな天体を見ることができるそうです。
この天体望遠鏡は初めて見ましたが、さすが九州最大、迫力が違います!
館長さんに「新しい望遠鏡、巨大ロボみたいでかっこいいですね」と感想をお伝えしたところ「そうなんです!あの望遠鏡はオーダーメイドなんですが、“巨大ロボみたいなカラーリングにしてください”と発注して作りました!」とのこと。なんという遊び心のある施設。ますます好きになりました。
プラネタリウムや「はやぶさ2」模型の展示も必見!
高精細フルカラーの投影機を備えるプラネタリウム。
1時間ごとに1回、45分間のプログラムを上映
運悪く天体観測ができなくても、楽しみはほかにもいっぱいあります! その筆頭が、「星の文化館」のもう一つの目玉・プラネタリウム。なんと、天体観測ができなかったときには入館料だけでの利用が可能です(天体観測とプラネタリウムの両方を希望する場合は追加料金)。
こちらのプラネタリウムは最新のギミックを備えているわけではありませんし、定員25名と規模もささやかです。ですが、天文台の中という、ほかにはないロケーションと木の建物が持つ温かみのせいか、なんだか映画の中に入りこんだような、特別な雰囲気が感じられます。
しかも椅子が上質!! 一見ただの大きな椅子なのですが、レバーを下げればかなりリクライニングするんですよ。座り心地がよすぎて、「いかん、暗くなったら寝てしまうかも」という危機感を覚えたほど。そして実際、大人組は中盤には夢の中へ…。スタッフのみなさん、せっかくのプラネタリウムで申し訳ありません!でも、それほどまでに、心地いい場所だったということでご勘弁ください。
上映番組は随時変わっているそうで、子どもが多い時期には子ども向けのものを、大人が多い時間帯には大人向けのものをと工夫して上映されているそうです。
「はやぶさ2」1/2スケール模型
プラネタリウムだけでなく、入館料だけで見られる展示室「天文ラボ」も大充実!特に、九州ではここだけの「はやぶさ2」の模型は見逃せません。
模型を見て私は、「これで1/2の大きさ?!意外と小さーい!」と驚いてしまいました。もっと巨大な構造物かと勝手に思っていたので…宇宙が好きな方にとっては、もっと深い気づきがあると思います。
撮影コーナーにてパチリ。次女、エイリアンに馴れ馴れしすぎ
SNS映えしそうな記念写真が撮れる撮影コーナーもあり、子どもたちはすぐに食いついていました。
昼は絶景が、夜は星空が待っている「星見展望台」
屋上に設けられた「星見展望台」もステキな場所でした。四方に視界を遮るものは何もないので、晴れた日の夜には降るような星空が見られるそうですよ。昼間も、広い空や耳納の山々を眺めるだけで気分爽快です!
宇宙にちなんだ珍しいアイテムが並ぶ、エントランス横のお土産コーナーも楽しい空間です。宇宙モチーフのキュートな文具や、自由研究に役立ちそうな手作りキットもあり、眺めているだけでワクワクします♪
プチホテルに宿泊すれば星空三昧の1泊2日♪
「星の文化館」には、プチホテルも併設されています。宿泊者はプラネタリウム鑑賞が1回無料、さらに宿泊者専用天体観望会に参加できるそう。もちろん、「星見展望台」にも行き放題!
ドミトリーの「スターキャビン」は、夜行列車やフェリーの客室を思わせる造り。
共用部分の天井には星が瞬いています!
プチホテルには、予算や旅のスタイルに応じてさまざまな部屋が用意されています。アクティブ派に人気なのは、2017年のリニューアルで登場した簡易カプセルタイプの「スターキャビン」。4名部屋と2名部屋の計2部屋があり、2名か4名で利用する場合はグループで1部屋独占することもできます。大人は4584円~、4歳〜小学生は2547円~(朝食付き)と手頃な価格で宇宙船の乗組員気分が味わえるとあって、ファミリーにも好評だそうです。
旅館気分でのんびりできる和室
ほか和室や、ロフト付き定員6名のファミリールーム、ツインルームなどがありそれぞれ趣が異なります。スターキャビン以外の宿泊料は、一律で大人7638円~、4歳〜小学生3565円~(朝食込み)。それぞれバス・トイレ付きですが、車ですぐの場所にある日帰り温泉「星の温泉館 きらら」に足を延ばす宿泊客も多いそうです。
どの部屋も眺めが良く、魅力的! いろんなタイプの客室を見学しているうちに、「いつか、流星群が観察できる日にこのホテルに泊まってみたいな」という夢がむくむくと膨れ上がってしまいました♪
「茶の文化館」に立ち寄って八女茶の奥深さに触れる
「茶の文化館」は「星の文化館」のすぐそば
「星の文化館」を堪能したあと、せっかくですし近くの「茶の文化館」にも立ち寄ってみることにしました。
「茶の文化館」は、展示や体験を通して日本茶の世界に触れることができる、茶処・八女らしい文化施設です。入場無料がうれしい♪
「茶の先駆者たち」パネル前で、菅官房長官ごっこ
伺った時間が16時ごろと遅めだったので体験ができなかったのが残念(〜15:30で受付終了)。抹茶碾き体験(500円)とほうじ茶作り体験(500円)は時間内に来館すれば事前予約なしでも参加できるそうなので、次回はもう少し早い時間に来ねばと思いました。
呈茶ホール(10:00〜17:00)の「GIしずく茶」(練り切り付き)800円
かろうじて和喫茶「呈茶ホール」はオープンしていたので、子どもは抹茶アイス、大人はハイクラス八女茶「GIしずく茶」セットを頼み、ひと息入れました。
しずく茶とは、フタつきの茶碗を使って八女伝統本玉露を味わう飲み方のことだそう。
1煎めはぬるめの湯で玉露の甘くまろやかなうま味を楽しみ、2煎目以降はお湯の温度を変えながら4煎めまでしっかり味わい、最後は残ったお茶っぱを、酢醤油や塩でいただきます。さすが八女の高級茶、お茶を出した後の茶葉にもしっかりとした甘みとうまみが残っていて、食べただけで健康になれた気がしました。
ごちそうさまでした!
最後に、個人的な感想を。
今回は日帰りで「星の文化館」「茶の文化館」を巡りましたが、星のキレイなスポットだけに時間が許せば泊まってみるのが一番かと思います。星の文化館のプチホテルだけでなく、近くにはコテージもある「池の山キャンプ場」もあるので、キャンプの夜に天体観測というプランもオススメですよ!
⼦どもとお出かけ DATA
◎⼦どもトイレ/なし
◎おむつ替えシート/あり
◎授乳室/なし
◎ベビーカー・車イスの貸し出し/なし
◎売店/あり
◎飲⾷店/なし(「茶の文化館」には「お食事処 八女茶寮」があり。11:00〜14:30LO)
星の文化館
福岡県八女市星野村10828-1
TEL:0943-52-3000
開館時間/月、土、日曜日と祝日は10:30~22:00(最終入館21:30)
水〜金曜日と夏休み期間中の火曜日は13:00~22:00(最終入館21:30)
※天候不良の場合は、20:30に一般受付終了
定休日/火曜日(年末年始、祝日、春・夏休み期間中は開館)
⼊館料/⼤⼈500円、小学生300円、幼児(4〜6歳)100円
※プラネタリウムまたは天文台入場料金含む
※プラネタリウム・天文台のセット料金は大人700円、小学生400円、未就学児は入館料のみ
駐車場/30台
茶の文化館
福岡県八女市星野村10816-5
TEL:0943-52-3003
開館時間/10:00〜17:00
定休日/火曜日
⼊館料/無料
駐車場/30台
アクセス(星の文化館・茶の文化館ともに)
・九州自動車道広川ICまたは八女ICより車で約45分
・JR羽犬塚駅より堀川バスで八女市福島バス停まで20分、星野行きに乗り換え、池の山前バス停まで50分。
★詳細については、公式ホームページ http://www.hoshinofurusato.com/
をご覧ください。
※この情報は2019年12月時点のものです
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ニッキーニックさん
福岡市在住の四十路フリーランスライター。娘のぴーちゃん(小学5年生・長女)、テイ子(小学2年生・次女)と共に福岡県のあちらこちらに足を運び、現地の様子を感じたままにレポートします。