「食育」ってどうしたらいい? 第1話:食育の基本

「食育」ってどうしたらいい? 第1話:食育の基本

子どもが生まれると気になることの一つに「食育」があるのではないでしょうか?「食育」とひと言で言っても、マナーや栄養、産地のことなど幅広いアプローチがあって、一体何から始めたらいいか悩んでしまいますよね。今回は、食育指導士で料理教室なども開催している、福岡市の北川(きたがわ)みどりさんにお話を伺いました。第1話の今回は、「食育の基本」についてです。

食事は「大事な時間」という意識が教育の基礎


「食育」とはどういうことなのか。まずは、北川さんの考える「食育」について教えていただきました。

北川さん:
「『食育』とは、食を通して知育や道徳、体づくりなどを学ぶことです。食から学ぶことはたくさんありますが、その第一歩は『食事を丁寧に取ること』にあると思います。毎回の食事を大切にすることが、子どもたちの心の豊かさや勉強への姿勢につながっているからです。

ただ、難しく考える必要はありません。まずは、家族がそろう日に、一緒に食事を取る機会を持つだけでもいいと思います。みんなで食事をしようと思うと、子どもたちもそのタイミングに合わせて計画的に物事を進め、決まった時間に決まった場所へ集まろうと自ら努力します。つまり、食事が自然と計画性や規律などを身に着けるトレーニングになっているのです。これは『教育の基礎』になっていると思います。
まずは、その『教育の基礎』にふれる機会を増やすために、子どもたちに『食事は大事な時間』だと感じてもらうことが重要。そんな意識付けのために、日ごろから心掛けられそうなポイントを2点紹介します」

食事の時に怒らない


北川さん:
「食事が楽しくないと子どもが『大事な時間』とは思えませんよね。なので、『食事の時は怒らない』ということを心掛けましょう。子どもが大きくなるにつれて『顔を合わせるのは食事の時くらい』ということも多くなってきます。すると、つい『この時』とばかりに小言を言ってしまいがち。でも、言いたいことがあっても食事の際は怒るのはグッと我慢です。作法を注意するときも優しく伝えるようにしましょう」

配膳を毎回きちんとする


北川さん:
「『食事は大事な時間』だと感じてもらう方法の一つが『配膳を整える』ということ。配膳は『食事はありがたいもの』という気持ちが形式化され、受け継がれてきたものです。
古来のさまざまな伝承がありますが、まずは難しいことは伝えず、『ご飯が左、汁物が右、おかずは奥』という程度の簡単な配膳を、きちんとしてみましょう。
季節感のあるマットや箸置きを使うだけでも、子どもには『食事は楽しくて大切な時間だ』ということが伝わると思いますよ」

「食事中に怒らないこと」も「配膳」も、「食事の時間を楽しもう」ということですね。早速試してみてください!次回は、出汁を使った食育について教えていただきます。

profile

北川(きがたわ)みどりさん

北川(きがたわ)みどりさん

食育指導士、みそソムリエ、調理師、食生活管理士。子ども料理教室「Happa(はっぱ)」を主宰。食育指導士として県内の小学校から大学まで、幅広い層に向けた料理教室を開講。大学生の息子を持つ。
・Cooking Room Happa
 https://happaroom.jimdo.com