「認可保育園」と「認可外保育園」って、何が違うの?
出産後、復職や再就職を考える上で大切なのが「保育園選び」。最近では、利用者のニーズの多様化に伴って、さまざまなタイプの保育施設が出てきていますが、大きく分けると「認可保育園」と「認可外保育園(無認可保育園)」(以下、認可外保育園)の2種類があります。
そこで今回は、「認可保育園」と「認可外保育園」の違いについてまとめてみました。
これから保育園選びを始められる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
「認可保育園」と「認可外保育園」の違い
「認可保育園」と「認可外保育園」では、主に下記のような違いがあります。
認可保育園
児童福祉法に定められた基準(保育する子どもの数に対する保育士の数、施設の広さ、設備など)を満たし、国から認可されているのが「認可保育園」です。国や自治体から運営費の支給を受けて運営されていて、入園できるかどうかは自治体の選考によって決まります。
・保育にあたるスタッフ→原則、全員保育士
認可外保育園
自治体独自の基準は満たしているものの、児童福祉法に定められた基準(保育する子どもの数に対する保育士の数、施設の広さ、設備など)を満たしていないことから、国からの認可を受けていないのが「認可外保育園」です。「認可外保育園」や「無認可保育園」と呼ばれるので、どうしてもマイナスなイメージを持たれがちですが、決してそんなことはありません。
・保育にあたるスタッフ
(自治体の補助あり)…保育士か看護婦が6割以上
(自治体の補助なし)…保育士か看護師が3分の1
保育料に違いはあるの?
「認可保育園」と「認可外保育園」では、保育料で次のような違いがあります。
認可保育園
保護者の収入に応じて、各市町村が決定します。
認可外保育園
各施設が自由に設定します。認可外保育園は国からの補助金が出ないため、認可保育園と比べて保育料が高いイメージがありますが、世帯年収が高い家庭の場合、認可外保育園を利用したほうが安くなるケースもあります。
また、令和元年からスタートした「幼児教育無償化」においても、「認可保育園」と「認可外保育園」で違いがあります。
●0~2歳児の場合
認可保育園
無償となるのは、「住民税非課税世帯(年間の所得が住民税を支払う基準額に満たなかった世帯)」のみとなります。
認可外保育園
「住民税非課税世帯(年間の所得が住民税を支払う基準額に満たなかった世帯)」のみ、月額42,000円を上限として無償。
●3~5歳児の場合
認可保育園→無償※1
認可外保育園→月額37,000円を上限として無償。
※1…無償となるのは「利用料」だけで、入園料や給食費、行事費などは、別途必要となります。
預かってくれる時間に違いはあるの?
働くママ・パパたちにとって、子どもを預かってくれる時間は気になるところですよね。「認可保育園」と「認可外保育園」では、子どもを預かってくれる時間についても違いがあります。
認可保育園→原則11時間(時間外保育含む)
認可外保育園→特に決まりなし
認可外保育施設は「夜間保育」や「休日保育」など認可保育園では行っていない保育を行っているところが多く、フルタイムや残業の多い保護者にとっては、ありがたいメリットだといえるでしょう。
保育に違いはあるの?
一言で「保育」と言っても、その内容や方針は園によってさまざま。「認可保育園」と「認可外保育園」では、大きく次のような違いがあります。
認可保育園
公立か市立かによって異なり、公立の認可保育園は、各自治体で決められた保育計画に沿って運営されています。また、私立の認可保育園は各運営母体が独自に定めた保育方針に沿ったカリキュラムで運営されていて、中にはリトミック教育などを行っている保育園もあります。
認可外保育園
各運営母体や園長の考え方によって、保育方針が大きく異なります。リトミック教育を取り入れたり、プリスクールのように英語教育に力を入れたりと、独自の教育を行う園もあるため、独自性のある保育を求める保護者に人気があります。
入園しやすさに違いはあるの?
認可保育園→どの保育園に入園できるかは、自治体が決定。
認可外保育園→直接申し込めるので、希望の園に入れる可能性が高い。
「なかなか保育園に入園できない…」といった話をよく耳にしますが、共働き世帯の増加に伴って、特に認可保育園への入園は狭き門となりつつあります。一方で、認可外保育園は園に直接申し込みができるので、空きがあれば、希望の園に入園することも可能です。
まとめ
「認可保育園」と「認可外保育園」の違いを下記の表にまとめました。
認可保育園がおすすめの家庭
●保育料を安く抑えたい
●送迎を含めて、預ける時間が11時間もしくは8時間以内
●勤務先よりも自宅に近い園を選びたい
認可外保育園がおすすめの家庭
●勤務先の近くにある保育園を選びたい
●残業が多いなど、預ける時間が長時間になる可能性がある
●認可保育園にはない教育や活動を経験させたい
「認可保育園」と「認可外保育園」。大事な子どもを預けるにあたって、まずはその違いを知ることが大切です。ライフスタイルが多様化する中、働き方や働く時間も、各家庭によってさまざまだと思います。自分たちのライフスタイルに合った保育園を選ぶこと。それが、家庭と仕事を上手に両立させる第一歩だと言えるでしょう。