読むほど元気が湧いてくる『お父さん、だいじょうぶ?日記』
タイトルを読むだけでも「なんの本?」と気になるこの本は、フリーランスのカメラマンである父親・加瀬健太郎(かせけんたろう)さんが、2人の息子の成長を、足かけ3年にわたって撮影した写真日記です。
今どきの「インスタ映え」を意識したような写真ではなく、本当に日常をありのまま切り取った、飾らない写真たち。
おむつ姿でなぜかゴミ袋に入っていたり、泥だらけになってしまって憮然とカメラを見つめていたり、「そうそう、男の子ってこういうことするよね~!」と笑い出しちゃうような姿が、そのまま写されています。
そして、そこに添えられている加瀬さんの力の抜けた文章が何とも言えない味があるんです。
『お父さんはカメラマン。
天才と言われることもある。
仕事が一つもなくなってから一週間目。ちょっとした休みのような気分で過ごす。全然大丈夫。二週間目。家の周りを散歩しすぎていく場所がなくなるが、まだ大丈夫。三週間目。ツバメが必死に餌を運んでいるところや、宅急便の人が走っているのを見ると堪える。一ヶ月目。嫁さんにパートをしないかと勧める。』
『上の子が幼稚園のアルバムを持ってきて、「脂身見よ~よ」と言った。こっちが笑っていると、間違っていることに気がついたらしく、「アブラム?」と聞いてきた。今度は聖書か? と思って笑っていたら、息子は照れ笑いしながら、「脂身?」とまた聞いてきた。』
子どもの思いがけない言葉や、妻との家事や仕事を巡る攻防など、呟くように書かれた日常のやり取りは、思わず笑ってしまうけれど、じんわりと胸に染み入ってくる。そんな、日常の幸せが詰まった一冊です。ほのぼのしたい時に、ぜひどうぞ。
今回ご紹介した本
『お父さん、だいじょうぶ?日記』
著者:加瀬健太郎
出版社:リトルモア
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