子育てに悩む親たちへ。『子どもの心の育てかた』

子育てに悩む親たちへ。『子どもの心の育てかた』

子どもが成長していく過程で、幼少期がとても大切な時期であることは、きっとみなさん聞いたことがあるのではないかと思います。
しかし、子どもたちに何をどうしてあげるのが正解なのか、「自信がある」という親はなかなかいないのではないでしょうか。

『お母さん、お父さん。どうぞ子どもを甘やかすことを決して恐れず厭わず、一生懸命にかわいがって育ててあげてください。いい子にしているときにかわいがるのではなく、どんなときにも愛してあげてください。子どもは愛されることで、いい子になるのです。』

これは、2017年に惜しまれつつこの世を去った児童精神科医で、『子どもの心の育てかた』の著者・佐々木正美(ささきまさみ)さんの言葉です。
この言葉は、本書の「はじめに」に綴られています。

本書は、親が子どもを育てていく上で、何を大切にするべきか、どういう心構えで子どもの欲求や変化を受け止めたらいいかといったことが、わかりやすい言葉で記されています。

・「叱られてもすぐ忘れる」「失敗しても同じことを繰り返す」これは、幼児期の子どもの大きな特徴です。
・子どもがのぞむことをみな与えるのが過保護。親がのぞむことだけを与えるのが過干渉。
・「なんでもひとりでできるようになること」が自立ではありません。他人との調和のなかで主体性を発揮して暮らしていくことが本当の自立です。

これは目次の一部抜粋ですが、読んでドキっとする部分がありませんか?
例えば「過保護」と「過干渉」の違いのように、わかっているようでうまく説明できない、対応に迷いがちなことも、「こんなふうに育ててあげてね、お父さん、お母さん」と、そっと指し示してくれます。

読んでいるうちに、自然と「私の両親もこんなふうに育ててくれたんだな」と思いを馳せたり、「私ももっと甘えたかった。自分のやりたいことを受け止めてほしかった」と感じたり。自分の中の「子どもの私」もひょっこり顔を出す、そんな力も持った本のようにも思います。

子育てにおいて「一番大事」とされる幼少期を中心に、小学校や思春期など、子どものあらゆる成長の時期に合わせたメッセージが詰まっています。
子育てに悩んだり迷ったりしたときは、ぜひ手に取ってみてください。

今回ご紹介した本

『子どもの心の育てかた』
著者:佐々木正美
出版社:河出書房新社

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