vol.3 子は親の鏡

vol.3 子は親の鏡

からすちゃんとmaruikoの「むかし子どもだったあなたへ」


フリースクール「みんなのおうち」代表のからすちゃんと、一児のママ・maruikoによる連載コラム「むかし子どもだったあなたへ」。大人になるにつれ、どこかに置き忘れてきてしまった子どもの頃の気持ちを、もう一度思い出してみませんか? 日ごろ子どもたちとふれあう中で感じている、ちょっとした子育てのヒントをお届けします。

子どもの頃、祖母に「通学途中に会った人、みんなにあいさつしなさい」と言われて育った私。人にあいさつするのは、当たり前だと思っていたけれど、そう聞かれると…。

スクールに通い始めの子どもは、あいさつをする声が小さすぎて聞こえなかったり、反対側を向いてあいさつをしていたり、そもそもあいさつを交わさなかったりすることがあるのです。でも、スクールだけではなくて、道で出会う近所の大人にあいさつをしても、何も返ってこないこともあります。そういう時は、何だか悲しいような、寂しいような、ちょっと腹立たしいような気持になってしまいます。みなさんはどうですか?

学校に行けなくて、おうちにいる時間が長くなると、あいさつをしなくなるのかというと、そういう訳ではないようです。学校を休んだり、行き渋りが始まると、家庭の朝はとても苦しい時間になります。どの人にも平等に訪れるはずの「爽やかな朝」は、いつの間にか学校に行くか行かないかの「選択の朝」に。これって、親子にとって本当に苦しい事で、「おはよう」の後に「今日は学校行くの?休むの?」と聞いてしまうことも。

スクールでは、2・3カ月もすると次第にあいさつをするようになってきます。特別なことはしていません。あいさつをする子にもしない子にも、私は立ち止まって、相手に体を向けてあいさつをするように心掛けています。これを繰り返していると、幼い子ほど短い期間で、同じようにあいさつを交わしてくれるようになります。

そしてもうひとつ。
「おはようございます」の後に、心の中で(今日も一緒に楽しい一日にしようね)。「さようなら」の時には、(次もまた、元気に会えるのを楽しみにしているよ)とつぶやきます。たったこれだけ。これは、今日一日を過ごす仲間への敬意だと思っています。

今日も送迎車の待ち合わせの駅で、とある小学生が元気に走ってきて、10メートルも向こうで立ち止まり、ペコリと頭を下げ、元気な声で爽やかにあいさつしてくれました。ほほ笑み合い、気持ちの良い一日が始まります。帰りには、「良い週末を」なんて声を掛けてくれたりもします。もしかしたら、子どもたちに、私の心の中のつぶやきが届いているのかな?

『子は親の鏡』と言いますが、子どもたちは、大人の言動だけでなく心の奥までお見通しで、そのありよう全てを、そのままに身に付けていくのだと思います。そう考えると、ドキドキしてしまうのは私だけでしょうか?

profile

芳野仁子(よしののりこ)さん

嘉麻市生まれ。子どもの本とおもちゃの専門店「からすのほんや」店主。雑誌や新聞で絵本や子育てに関するコラムを執筆するほか、子育てに関する講座の講師も務める。
小学生対象のフリースクール「みんなのおうち」、考える力を楽しく養うキッズスクール「ひみつの国語塾」を運営。「一般社団法人 家庭教育研究機構」代表理事。
からすのほんやホームページ
http://karasubook.com/


maruikoさん

イラストレーター。福岡県嘉麻市出身・在住。展覧会などで作品を発表する他、さまざまな媒体のイラストやデザインを手がける。山に囲まれた小さな住宅街の小さな家で日々暮らしている。まるやまももこ名義で音楽活動も行っている。2015年に息子が生まれ現在子育て中。
ホームページ:
https://marumomo48.wixsite.com/maruiko