vol.4 負けられない闘い!!

vol.4 負けられない闘い!!

からすちゃんとmaruikoの「むかし子どもだったあなたへ」


フリースクール「みんなのおうち」の子どもたちが教えてくれる、子どもとのくらしのヒントを、スクール代表のからすちゃんと一児のママmaruikoがお届けします。

学校に行きたいけれど行けない小・中学生のみんなと、おうちの人とのやり取りの中で気になることのひとつ。それは、「子どもたちの投げ掛けに対する親の反応」。今日は、これについて考えてみたいと思います。

例えば、子どもが担任の先生に対する愚痴をこぼしたとします。昭和のお母さんなら「あんたが悪い!」「先生が正しい」と、一刀両断の答えが返ってくることが多かったかもしれません。しかし、今はどうでしょう? 特に不登校のお子さんを持つご家庭では、「せっかく学校復帰をしている最中に子どもの機嫌は損ねたくない」「また学校に行き渋るのは困る」といった理由で、自分の心の中に浮かんだ言葉、例えば「先生は、あなたのことを考えて言ってくださっているのよ」とか「それは、ただのわがままなんじゃない?」といった言葉を飲み込んで、子どもの意見に同調し、先生に連絡を取ったりしているという方も多いです。そうやって心の中に溜まったモヤモヤが何かの拍子にあふれ出し、自己嫌悪に陥ることも。

ただ、こういった対応についてお母さんたちと深く話をしてみると、実は違った理由が見えてくることが多いんですよね。

そうですよね。でも、私はみなさんに「家族はそんなにもろくないよ」と伝えています。ひとつ屋根の下で10年前後一緒に暮らし、お互いが自分の心の内を話してきたのならば。たとえ意見が対立することがあり折り合えなかったとしても、お互いの考えを認め合うことができた経験があれば。家族は、そんなに簡単に壊れてしまわないよ、と。

子どもと意見が対立する時期は、実は意外にも早くやってきます。2歳前後から始まる「イヤイヤ期」。この時期は、子どもたちの自立への第一歩。ただし、どこの家庭でもあるのかと思いきや、環境によっては、ほとんど表れないことがあります。例えば、家族の入院など、家の中で何か問題が発生している時。子どもは優しいから、そんな時は家族の一員として、協力しているのかもしれません。また、「いや!」と言ったら、なるべく子どもの気持ちを大切に、できるだけ合わせて反応していたという方もいらっしゃいます。そうだったとしても、大丈夫。今から子どもとの関係づくりに取り組めばいいのです。

「なるほど、あなたはそんなふうに考えたんだね、私はこう思うんだけど」。

こういったやり取りを穏やかに繰り返す中で、次第に親子になっていきます。ゆっくりでいい。だんだんと、互いを認め合える家族になっていけばいいのです。こういう私だって、まだ、そのど真ん中にいるのだから。

「負けられない闘い」とは、自分の中にある不安や恐れと向き合うこと。そして、その向こう側には、見つめ合い、ほほ笑み合い、どんなことがあっても壊れない、たくましい家族のかたちがあるのだと、出会う親子に教えられる日々です。

profile

芳野仁子(よしののりこ)さん

嘉麻市生まれ。子どもの本とおもちゃの専門店「からすのほんや」店主。雑誌や新聞で絵本や子育てに関するコラムを執筆するほか、子育てに関する講座の講師も務める。
小学生対象のフリースクール「みんなのおうち」、考える力を楽しく養うキッズスクール「ひみつの国語塾」を運営。「一般社団法人 家庭教育研究機構」代表理事。
からすのほんやホームページ
http://karasubook.com/


maruikoさん

イラストレーター。福岡県嘉麻市出身・在住。展覧会などで作品を発表する他、さまざまな媒体のイラストやデザインを手がける。山に囲まれた小さな住宅街の小さな家で日々暮らしている。まるやまももこ名義で音楽活動も行っている。2015年に息子が生まれ現在子育て中。
ホームページ:
https://marumomo48.wixsite.com/maruiko